研究課題/領域番号 |
09042006
|
研究種目 |
国際学術研究
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
|
研究分担者 |
PARSHIN VA オムニンスク放射線医学研究所, 教授
DEMETCHIK EP ミンスクがんセンター, 内分泌外科, 教授
星 正治 広島大学, 医学部, 教授 (50099090)
伊東 正博 長崎大学, 医学部, 助教授 (30184691)
難波 裕幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80237635)
|
キーワード | チェルノブイリ / 甲状腺がん / コーホートスタディ / 原発事故 / 国際医療協力 |
研究概要 |
チェルノブイリ周辺で小児甲状腺検診活動に従事し、各種甲状腺疾患の頻度を明らかにしてきた。すでにチェルノブイリ周辺3ヶ国(ベラルーシ、ロシア、ウクライナ)における共同研究機関には人材が育成され各種生体試料が保管されている。3ヶ国の保健省との関係も良好でミンスク医科大学(姉妹校)、オムニンスク放射線医学研究所(WHO協力センターとして提携)、キエフ内分泌代謝研究所(客員教授招聘)で共同研究を推進中である。 〈研究の経過〉 (1) ベラルーシからは入手された小児甲状腺がん組織を用いたRET蛋白発現の解析以外にAxlについても再配列の有無を検討中である。1998年4月からゴメリ州における比較調査研究を開始し、既に3000人の検診が終了した。小児甲状腺がん症例の同定作業が終了し、症例・対照研究は11月からスタートした。 (2) ロシアではカルーガ州での被曝線量別のコホート集団2005例の甲状腺検診が終了し、データの解析中であるが、甲状腺がん以外のリスク評価を解析中である。小児甲状腺がん60例については病理学的診断の確認作業と線量評価が進行中である。ブリヤンスク州では遅々としてコホートならびに小児甲状腺がん同定作業が進まず、1999年も継続して打開策を模索予定である。モスクワ内分泌研究所との共同研究ではPit-1以外Prop1の遺伝子診断に成功し成果を公表した。 (3) ウクライナではEC主導型の Post-Chernobyl Thyroid Tissue Brnk が稼働し始め、現在ケンブリッジ大学と手術標本ならびに病理標本の保管・保存システムを構築中である。客員教授として来崎中の Yuri sautin 研究員が、放射線誘発甲状腺細胞アポトーシスの細胞内情報伝達系の詳細について共同研究中である。 (4) 衛星通信を用いた甲状腺超音波画像診断支援システムの構築がゴメリ-長崎間で準備され1999年2月以降始動開始した。
|