研究課題
国際学術研究
1. マダガスカルの制ガン活性物質の探索を目的とした天然薬物調査:Fort-DauphinおよびAmbosaryを中心とした南部地域と中央西海岸地域のMorondavaにおいて民族生薬(薬物)の調査と未利用植物の調査採集を行った。両方で40種類の植物種を数えることができ、そのうち3種のものについて抗発がんプロモーション活性試験を行ったところ、次の2種のものに活性が認められた。試験はEBV(Epstein-Barr Virus)活性化抑制試験を用いた結果、Hypoxis angustifolia(root)は10μg/mlで % control(% viability)は37.8(70)、1μg/mlで78.2(70)を示し、また、伝承医の用いている薬物RESONDRO(基源は調査中)は10μg/mlで38.2(60)、1μg/mlで80.4(60)を示した。但し、TPA(20ng/ml) = 100%の条件で行った。2. ケニア産民族生薬Uvaria acuminata(バンレイシ科)から単離されたジヒドロカルコン類の抗がん活性スクリーニング:東アフリカ地域特に東南部で、ギリアマ族が鎮痛薬、抗菌薬として用いられている本植物の根からジヒドロカルコン類として6種の新規化合物を含む12種の化合物を単離し構造決定した。そのうち、5-(2'-hydroxybenzyl)-diuvaritinのような構造のジヒドロカルコン類についてHCC(ヒト培養ガン細胞パネル)スクリーニングを行ったところユニーク度の高い抗がん活性を示した。次いで、最近の実験で同植物から単離したtriuvaretinにもHCC法により、有効な発育阻害活性を示すことが分かった。一方、HCCで活性が認められたジヒドロカルコン類の中にはトポIおよびトポIIイソメラーゼ阻害活性を兼ね備えている化合物もあった。なおUvaria属の異種であるU.Iucidaからは抗発がんプロモーション活性(EBV活性化抑制)を示す新規のpyrene系化合物が単離、構造決定された。
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