研究分担者 |
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 助教授 (70178648)
佐藤 宏之 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (50292743)
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 主任研究官 (90183730)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
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研究概要 |
平成11年度はアムール川本流から離れ,その大支流であるウスリー川流域の一支流であるビキン川流域のクラスニー・ヤルを中心にして調査をすることにした。この付近には主としてウデヘが居住している。ウデヘはアムール川本流域のナーナイやウリチと比べると狩猟により比重をかけた生活をしているものと予測された。また,調査を行うにあたり,研究者間で問題関心が若干異なるので,それぞれの関心に好適な時期に二度に分けて調査を実施した。 考古学の研究者の問題関心は集落の分布とその立地と生業の関係にあり,これを主目的にした調査を9月に行った。小舟と徒歩でクラスニー・ヤルからビキン川を遡り,旧集落の痕跡を実地踏査し,集落の分布と周辺環境を対比しながらその立地を調査した。現在個々の猟師によって占有されている狩猟領域と過去の狩猟領域の比較,集落と狩猟領域の関係,集落とサケの産卵場との関係などを明らかにすることができた。 一方,民族学の研究者は狩猟活動の具体的な在り方を知るために,現地の猟師と帯同した調査を狩猟現場ですることを目的にして,狩猟シーズンにあわせて11月にクラスニー・ヤルを基点にして調査した。この調査は狩猟小屋に泊まり込み,猟師と行動を共にした調査であったので,具体的な狩猟活動をつぶさに観察・記録することができた。狩猟具の実際の使用法,獲物ごとの使い分け,狩猟活動のさまざまな場における具体的な行動,狩猟の成果などきわめて有用な多くの情報を得ることができた。また,一日中猟師と行動を共にしているので,一日中聞き取り調査が可能であり,さらに狩猟の具体的な場での聞き取り調査であるので,詳細な内容を知ることができ,きわめて有効な調査になった。また,あわせてウラジオストクで文献調査も行った。
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