研究分担者 |
ONO Vineberg カリフォルニア大学, サンディエゴ校生物学科, 研究員
HULL David ノースウェスタン大学, 哲学科, 教授
CHAVOT Phili ルイ, パストゥール大学・科学論研究所, 助手
BERECZKEI Ta ペーチ医科大学, 講師
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研究概要 |
1997年度は研究課題の基礎固めとして,社会生物学受容の各国の状況を大まかに把握することに主眼をおいた。そのために研究代表者は2回渡米して社会生物学の発祥地での状況に関する情報・資料を収集し,一方でアメリカ,フランス,カナダの研究者を日本に招聘することで,相互の情報交換をはかった。なお,デイヴィット・ハル教授が来日できなくなったため,代わりにマイケル・ル-ス教授を招聘し,同時期に招聘したエヴリン・オノ・ヴァインバーグ博士とともに東京で国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムは東京大学教養学部の長谷川寿一助教授と共催したもので,「人間の進化的理解」をテーマに,生物学,自然人類学,文化人類学,哲学,科学史,心理学,法学,遺伝学などの分野で活躍中の研究者を集めたもので,その幅広い分野にもかかわらず求心的な議論がおこなわれた。出席者は150名をこえ,進化学を触媒とする「学融合」のきっかけとして成功をおさめたといってよい。 フランスの科学史家,フィリップ・シャヴォ-博士もこのシンポジウムに招待する予定だったが,彼の日程があわず,予定を変更して2月末に招聘した。セミナーで2回発表したほか,研究機関を7カ所ほど精力的にまわって個別の情報交換を有意義におこなった。 今年度の副産物として,研究分担者には加わっていない国の研究者との連携がはかれたことがある。具体的には韓国,中国,オランダであるが,いずれも今年度の研究を進めていく途中での新たなネットワーク形成である。来年度はこの点を考慮し,今年度とは異なった視点と地域の研究者とも連携して,より生産性の高いものにしていきたい。
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