研究課題/領域番号 |
09044010
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
大貫 敦子 学習院大学, 文学部, 教授 (70176957)
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研究分担者 |
崔 明淑 梨花女子大学(ソウル), 文学部, 教授
松永 美穂 早稲田大学, 第1文学部, 助教授 (30199822)
藤田 恭子 東北大学, 言語文化部, 助教授 (80241561)
村上 公子 富山国際大学, 人文学部, 助教授 (20239487)
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キーワード | ジェンダー・スロディズ / 異文化接触 / 文化的差異意識 / 近代化 / transculturation |
研究概要 |
1, 派遣に関する研究実績:ベルリンを中心とした資料調査(大貫、村上、鷲巣、三島)では、特に1900-1920年代における都市化とメディアの発達にともなって、ジェンダー・イメージが変化する様態について、当時の雑誌資料および大衆小説などの文学メディアを中心として調査が行われた。 特に「新しい女性」のスローガンのもとに登場するジェンダー・イメージが、伝統的ジェンダー・ロールからの乖離であるとともに、新たな社会的拘束力をもたらたことが認識された。個別テーマに関しては、文学と造形芸術における「新しい人間」のモティーフ(大貫)、1920年代における女性の政治参加とその意識(村上)、都市化と近代における伝統の改変(鷲巣、三島)に関して調査分析をおこなった。 2, 招聘に関する研究実績:ドイツ、韓国の研究者とともに行われた研究会議では、文化研究の方法論について集中的に論議された。ジェンダーの視点を取り入れた方法論が、ナショナルな次元で形成されてきた文化概念に対する批判を可能とし、またイントラ・カルチュラルな差異形成の分析に有効であることが認められた。またジェンダー・スタディーズを研究次元にとどまらずに、教育次元にも取り入れるモデルが紹介され、実践上の問題点が討議された。また日本側と韓国側の両グループの今年度の共通研究課題については、韓国併合による日本の文化政策が、韓国の近代化とジェンダー意識の形成に及ぼした影響が詳しく報告された。来年度の課題として、1910年以降の日本の文化政策によるジェンダー・イメージの強制と定着の過程を研究重点とすることとした。
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