研究課題/領域番号 |
09044017
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
工楽 善通 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (00000472)
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研究分担者 |
趙 由典 国立民俗学博物館, 館長
花谷 浩 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (70172947)
小林 謙一 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部・考古第一調査室, 室長 (70110088)
金子 裕之 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・考古計画研究室, 室長 (10000499)
猪熊 兼勝 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 部長 (40000476)
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キーワード | 埋葬遺構 / 土壙墓 / 支石墓 / 木棺墓 / 積石塚 / 古墳 / 副葬品 / 葬送観念 |
研究概要 |
今年度の両国の埋葬法のうち、おもに我が国の縄文〜弥生時代に相当する古い段階の資料について共同研究を進めた。朝鮮半島における新石器時代の埋葬遺構は、いまのところその発掘例がきわめて少ないが土壙墓が一般的といえる。東アジアに通例のようだが詳細な比較研究はまだできない。次の青銅器時代(1000B.C.〜300B.C.)になると、粗密の差はあるが韓半島全域にわたり支石墓が普及する。この支石墓に関して、従来からも構造的にみて、その埋葬法に多様な形式のあることが指摘されてきたが、本年度の研究においても、それが確認できた。地上に石室を組み立てる北方式は漢江以北に主として分布し、埋葬施設の主部分を地下に築く南方式は特に半島南部に濃密に分布しておりその主流を占める。この形式差を追うことにより、この埋葬法が、シベリアもしくは中国東北地方に起源するものであるか否かを決めることができるであろうし、また我が国の縄文時代晩期〜弥生時代初に支石墓が北部九州へ伝来した経緯やその様子を知るのに絶好の材料であることがわかった。その後の原三国時代(300B.C.〜1A.D.)には木棺墓が新たに登場して普及する。この木棺は刳抜式の独木棺で、弥生時代に一般化する我が国の組み合わせ式の木棺とは違い特徴的なものである。 埋葬関係情報のデータベース化は日韓双方の研究者で進行中である。 今後、のちの時代の埋葬法をも比較してゆけば、両国間における葬送観念の共通点および異質性を鮮明に指摘することが可能となるだろう。
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