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1998 年度 実績報告書

中国長白山の巨大噴火年代と渤海に関する年輪年代学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09044018
研究機関奈良国立文化財研究所

研究代表者

光谷 拓実  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 室長 (90099961)

研究分担者 代 力民  中国科学院, 沈〓応用生態研究所, 研究員
趙 大昌  中国科学院, 沈〓応用生態研究所, 名誉研究官
工楽 善通  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (00000472)
キーワード長白山(白頭山) / 巨大噴火 / 年輪年代法 / 年輪ネットワーク / 長白カラマツ / チョウセンマツ / 年輪気象学 / 十和田火山灰
研究概要

本年度は、1998年8月末から9月初旬にかけて長白山の南西山麓で現地調査を行う予定で中国へ出かけたが、共同研究者の趙先生(沈阻応用生態研究所)から「今年は大洪水の影響で現地での炭化材収集作業は大変危険である」との説明を受け、急速、長白山の北西約700km離れた小興安嶺に変更し、中国での年輪ネットワークを作成するため、そこでの現生樹木標本を採取することとした。
現地(末林自然保護区)では主にカラマツの老齢樹から直径5mmの棒状標本を採取し、年輪年代学的検討をおこなった。その結果、1758年〜1998年までの平均値パターンを作成した。長白山のカラマツを含め、2ヶ所の年輪ネットワークの拠点ができた。
つぎにこの度、長白山の火砕流堆積物中の炭化材を最新の放射性炭素年代測定法で年代測定をおこなった。結果は、西暦895年より新しい可能性はほとんどないというものである。ところが、以前、秋田県下に所在する平安時代の胡桃館遺跡(十和田砕流で埋没した遺跡)から出土した机の天板の年輪年代は西暦902年をさかのぼらないという結果を得ていた。したがって、その直上の長白山火山灰も同様に10世紀をさかのぼることはあり得ない。つまり、最新の機器を使った放射性炭素年代測定法でも長白山の噴火年代を正確に求めることはできないことが判った。真の噴火年代は本研究が目的とした年輪年代法を応用するしかないことになる。今後も良好な試料を探索し、巨大噴火年代を明らかにしたい。
渤海関連では、北京大学考古研究室、中国歴史博物館、遼寧省博物館において、7世紀末から10世紀初にかけて栄えたといわれる渤海国の出土品を見学し、わが国の8〜10世紀の古代都市遺跡からの出土品との比較調査をおこない、昨年にも増して、わが国での古代都城遺跡との関わりを強くした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 光谷拓実: "中国長白山の巨大噴火年代に関する研究" 奈良国立文化財研究所年報 1995. 23 (1996)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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