研究課題
数理モデルの応用としての公共政策部門全般への適用例のサーベイを行った。これらの成果を監訳「公共政策ORハンドブック」として平成10年4月に刊行した。本書には、公共政策部門全般へのOR理論と手法の適用例が紹介されている。救急医療施設の配置問題とモデル分析、リスクの予測と管理、危険施設の配置、環境の質管理、そしてモデル分析全般への問題点と指針、等ほぼ全ての分野への応用例の概要が示され、モデルの定式化等についても記述されているため、それらについてのサーベイを行った。一般的な数理計画モデルの定式化等については、「数理計画モデル分析と基礎的定式化技法」としてオペレーションズリサーチ誌(1998年4月号)にまとめた。本稿は数理計画モデルを使用する際の定式化技法あるいは分析手法について基本的な要件を整理したものである。さらに数理計画モデル分析全般の課題と将来展望に付いても記述した。また最も一般的かつ基本的な最適化問題である最短経路問題について、「最短経路問題とその周辺」としてオペレーションズリサーチ誌(1997年12月号)にまとめた。首都圏における交通路線選択問題についても実データをもとに例題を示した。本問題の実用的価値と理論的興味という両観点からの分析を示した。ロナルドハフ教授とはFEMA(連邦危機管理庁)についての概要を整理し、その目標と課題をまとめた。ニコラスホール教授とは配置配分問題に対する数理計画モデルの定式化を提起し、理論と方法論の開発を試みた。レスリートロッター教授とは緊急時のネットワーク構造システムの解析手法の開発を試み、離散的最適化アルゴリズムの適用可能性の検討を試みた。
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