ソフト援用型大型複合システム開発のテクノロジーマネジメントに関する比較実証分析

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09044025
• 研究種目: 国際学術研究
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 宮崎 久美子 東京工業大学, 社会理工学研究科・経営工学専攻, 助教授 (20281719)
• 研究分担者: RUSH HOWARD ブライトン大学, CENTRIM, 教授 ; CALLON MICHE 国立鉱山大学, 技術革新社会学センター, 教授 ; HOBDAY MICHE サセックス大学, SCIENCE POLICY RESEARCH UNIT, 教授 ; 木嶋 恭一 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (10134826) ; 渡辺 千仭 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (60220901)
• キーワード: ソフト援用型複雑システム / 技術マネジメント / 複雑性 / 技術革新論 / ニューエコノミー論 / 技術戦略 / 日欧米比較分析 / ベストプラクティスマネジメント

研究概要

本研究は新パラダイム下の複雑システムのイノベーションダイナミクスに焦点を当てた技術経済システムの構築を目的とする。本研究の目的に即した分析対象国、範囲、ソフト援用型プロジェクトのスコープ、分析すべきテクノロジーマネジメントの課題を画定した。海外の分担者との間の双方の比較優位に応じた補完関係を確定し、共同研究のベースを構築した。1997年11月京都で開催したワーククショップには海外の研究分担者10人を招聘し、研究のスコープ、補完関係を画定する事が出来た。国内の分担者との間で複雑システムの技術マネジメントにおける基本的概念、分析の枠組みを画定した。複雑システムのテクノロジーマネジメントの1つの課題として複雑性が挙げられるが、それには技術的、社会経済的、政策的及び運用面、安全性やリスク等多数の観点により分析を進める事が出来る。また、技術開発だけではなく、複雑システムの社会への波及、技術政策プロセス、サービス産業においても複雑性は増加しており、これらも分析対象に含むことにした。分析のアプローチとして、技術政策論、技術経済論、経営システム論、技術経営論、技術革新社会学等学際的手法を確立し、分担研究を開始。日欧米先進諸国におけるソフト援用型複雑システムのプロジェクトをケースとして取り上げ、予備分析を開始。ケースとしてテレワーク、遠隔医療、通信システム、知識ベースマネジメント、また、国の技術政策決定プロセスなどが上げられる。これらの実証分析を通じ、複雑システム開発(及び波及)におけるイノベーションマネジメントの効率性を高めるテクニックの解明が可能となる。

研究成果

• [文献書誌] 宮崎 久美子, 木嶋 恭一, 渡辺 千仭: "TOWARDS A NEW PARADIEM IN TECHNOLOGY MANAGEMENT" 第7回,International Forum on TECHNOLOGY MANAGEMENT. 7. 76-81 (1997)
• [文献書誌] 木嶋 恭一: "多主体複雑系の考え方" オペレーションズリサーチ. 42〔9〕. 582-586 (1997)
• [文献書誌] HOBDAY, RUSH, BARDY, DAVIES: "TOOLS FOR TECHNOLOGY MANAGEMENT" TECHNOVATION. 17〔8〕. 417-426 (1997)
• [文献書誌] HOBDAY, RUSH: "USER NEEDS ANALYSIS:ENGAGING USERS IN INDUSTRIAL INNOVATION RESEARCH" INDUSTRY AND HIGHER EDUCATION. 11〔2〕. 96-100 (1997)
• [文献書誌] CALLON, LAW: "AFTER THE INDIVIDUAL IN SOCIETY:LESSONS ON COLLECTIVITY FROM SCIENCE,TECHNOLOGY AND SOCIETY" CANADIAN JOURNAL OF SOCIOLOGY. 22〔2〕. 165-182 (1997)
• [文献書誌] 勝本 雅和: "科学技術基本計画後の日本の研究開発システムの抱える課題に関する一考察" 研究技術計画. 11〔1/2〕. 12-32 (1997)
• [文献書誌] CALLON, (michel): "THE LAWS OF THE MARKET" BLACKWELL,LONDON, 272 (1998)
• [文献書誌] 木嶋 恭一(分担): "システム知の探究1" 日科技連出版, 286 (1997)