研究課題/領域番号 |
09044028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塚谷 恒雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (90027459)
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研究分担者 |
片山 幸士 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30026512)
中原 紘之 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026567)
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 助教授 (30239264)
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
福嶌 義宏 名古屋大学, 水圏大気科学研究所, 教授 (00026402)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | ウラン鉱山 / アラル海 / 砂漠化 / シルダリア / フェルガナ / キジルクム / 市場経済化 / 塩生植物 |
研究概要 |
本研究の目的は、西側が従来立ち入りさえできなかった2つの地域、アラル海流入河川上下流部とカスピ海東岸部を対象に環境破壊に実態を解明し、環境保全と経済発展のための基礎データを収集し、各種政策提言をすることである。平成11年度はまとめの年度に当たり、以下の研究を実施した。 1 シルダリア川上流部での水質、土壌環境の総合研究:これまで機密であった資料を渉猟して環境の概要を把握した。ついで2度にわたって現地共同調査を実施し、水質・土壌試料を採取し、厳密な化学分析を行った。冷戦時代に開発されたウラン鉱山の鉱滓による環境汚染が深刻であることが明らかとなった。 2 ゼラフシャン川流域の全域に渡る水質・土壌の総合研究:夏季と春期の2度にわたる現地共同調査を実施し、精密な重金属分布を分析した。それに基づきゼラフシャン川水質とサマルカンドやブラハの古都建設との関係を推測した。上流部での鉱山の影響、下流部での灌漑と鉱業の影響を明らかにした。 3 カラクム砂漠植物の形態学的研究:砂漠植物構造の電子顕微鏡レベルでの形態分類、複数種について根細胞の成長と発生の構造分析、重金属分析を行った。また30種類の塩生植物のモニタリング観測を実施した。 4 中央アジア水資源管理のための最適モデルの構築:アラル海流域を対象に地理情報システム「アラル」を提言した。これは流域を区分して各地域内の水資源、土地利用、水管理および経済成長を他区域を考慮しながら全体として最適化を図る基本モデルである。 5 進化経済モデルの中央アジア経済への適用:技術革新における進化経済的淘汰の概念を再検討し、カザフスタンなど旧ソ連諸国に起こっている非均衡経済過程を進化理論を用いて認識した。特に一般的進化の観点から企業家活動の理論を展開した。次にカザフスタンでの中小企業を子細に検討し、進化的アプローチによる企業振興政策を提示した。
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