研究課題
本年度は、前年度に引き続き、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、イタリア、連合王国における留学生教育とそのメソッドを実態調査した。またベルギー、アメリカ、イギリスから九州大学に来学してもらい、本学における留学生教育実態を調査してもらった。その過程で、文科系科目についての留学生教育に使える教授法マニュアルを作成し、さらにそれを活字にする作業は着々と進行中である。その意味で研究経過は順調であると言える。具体的には、日本語教授法、日本宗教、日本歴史、日本文学、日本人と性差、日本美術、日本人と法、日本政治についての教授マニュアルが完成しつつある。ただ項目によっては、いくつかの小項目に分かれていて、それぞれの小項目が相当な分量になっているものと、小項目の数も全体のボリュームも少ないものとが混在している。これを統一するか否かについて、何度か検討したが、討議の結果、これは執筆者各自のスタイルを反映したものとしてあえて統一することは当面はしないことにした。ところで次は、このマニュアルを実際に使用して実験授業を行い、手直しを経た上で完成させる必要がある。その第一ステップとして、来年度6月には、モデル授業をした上で研究メンバーおよび他大学からの参加者も含めて、公開パネルディスカッションをする。そしてその際に、全体集会を九州大学で開催してさらに細部をつめる予定である。現在はそれに向けての調整がすすめられているところである。