研究課題/領域番号 |
09044035
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
小林 宏至 大阪府立大学, 農学部, 教授 (70081560)
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研究分担者 |
小野 雅之 山形大学, 農学部, 助教授 (90224279)
豊田 八宏 大阪経済法科大学, 経済学部, 助教授 (90122192)
橋本 卓爾 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90279399)
藤田 武弘 大阪府立大学, 農学部, 講師 (70244663)
大西 敏夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (90233212)
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キーワード | 青果物流通 / 上海市 / 大都市 / 卸売市場 / 流通再編 / 市場経済 / 地域開発 / 都市農業 |
研究概要 |
[生産・流通システム研究]これまでの調査研究(学術調査)を通じて獲得された産地・批発市場・小売の実態、並びに関連する「菜藍子工程」の内容が、中国側分担者とともに実施した上海市商業委員会等との議論を通じて、有機的に繋がってきたことが最大の成果である。また、批発市場の分析については、従来の公司レベルの概況把握から一歩進んで産地との結合関係[集荷構造]を分析する上で、(1)広域流通型市場における「客菜」入荷は主として域外産地市場で買付を行う産地証人によって担われていること、(2)しかし依然として「郊菜」取扱の多い「近郊型産地市場」的な性格を持つ緑苑公司管轄下の地場流通型市場が増加傾向をみせるなど、上海市への野菜の安定供給を考える上で重要な役割を果たしていること等が重要であることが明らかとなった。一方で、上記の成果とも関係して、市商業委員会が指摘する「産地における出荷の組織化」を政策目標に掲げることの現実性を検証する必要が生じていることは重要である。さらに、八仙集団食品公司・聯華超市有限公司の事例分析を通じて、スーパーの生鮮食品調達行動の典型例が解明され、さらに配送センター機能を独自に分析する必要性が明らかになった。 [都市農業研究]都市農業研究の方向性に関して中日双方の研究者の間で以下の4つの共通認識が確認されたことは重要である。それは、(1)双方で「都市農業」に対する概念の違いはあるが、その役割の重要性を確認し、「都市農業」の概念及び今後のあり方について研究を進める、(2)食料供給と農地保全の2つの視点からのアプローチが不可欠である、(3)深刻化しつつある都市農業の担い手問題について考察する必要がある、(4)都市化・工業化のもとでの農民生活・農村の変化に関する考察が重要である等である。さらに、以上の成果を検証するための鎮レベルでの関係試料の入手、及び生産隊・請負農家への実態調査を実現できる見通しができたと共に、来年度調査に向けての共同研究の組織体制、及び分担体制が整った。
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