研究課題/領域番号 |
09044037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
河内 徳子 大東文化大学, 文学部, 教授 (10129934)
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研究分担者 |
浅野 誠 中京大学, 教養部, 教授 (20044951)
杉田 明宏 大東文化大学, 文学部, 講師 (10235880)
沼口 博 大東文化大学, 文学部, 教授 (80102193)
折出 健二 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20109367)
乾 彰夫 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90168419)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | いじめ / ピア・メディエーション / コンフリクト・レゾリューション / ホールスクールポリシー / アイデンティティ / スクールカウンセラー / CRプログラム |
研究概要 |
我々の3年間にわたる共同研究の過程で明らかになったのは以下のような点である。 1.日本・カナダの歴史的社会的な背景の違いや学校制度等の差異にもかかわらず、生徒間のパワー不均衡(非対称)による攻撃や競争的環境からくるクラスあるいはグループレベルでの対立・葛藤など、いじめ現象の共通性もあること。 2.その中で、同年代の仲間関係の果たす役割が重要であること。カナダにおける取り組みでは、ピア・メディエーターあるいはピース・メーカーと呼ばれる生徒の調停を介して当事者の話し合いによる解決が目指されている。しかし、そうした方法は日本の学校では、調停者自身がいじめの標的になるかもしれないという面もあり、違いがあると思われている。 3.むしろ日本側で力を入れてきたのは、生徒の自治的集団を基礎とする取り組みである。 4.カナダ側で開発されているいじめ克服のプログラムは大いに参考になったが、日本の学校に導入するには、学級社会の実態や隠れた競争的関係なども配慮して、選択的に導入するべきであること。 5.学校全体のいじめ問題打開のための方策を確かなものにすることは、日本・カナダに共通して、訪問したどの学校でも力説されていること。 6.地域の父母・住民と教職員との連携・協力については、カナダ側でも相当力を入れているし、多文化社会ゆえに質問紙やケースレコード等にも最新の注意が払われていること。 以上が3か年にわたる共同研究の成果の概要であるが、今後も残された課題について引き続きカナダ側研究者・実践家との交流を図っていくことが求められている。
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