研究課題/領域番号 |
09044038
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
|
研究分担者 |
DAVID L Wank 上智大学, 比較文化学部, 助教授
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (00248056)
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
菱田 雅春 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00199001)
天児 慧 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70150555)
|
キーワード | 現代中国 / 中間階級 / 質問票調査 / 比較研究 / 重慶市 |
研究概要 |
調査研究の2年目となる今年は、昨年苦労して作成した質問票をほぼそのまま利用して重慶で調査を行うことにエネルギーを集中した。現代中国の中間階級を理解するには、一都市での調査だけでなく、複数の都市を対象に質問票調査を行う必要があると判断したからである(この点も前年に確認済み)。沿海部で改革・開放が進んでいる天津市と、同様に直轄都市でありながら内陸部に属し、必ずしも思うとおりに発展していない重慶市を比較研究の対象とすることで、中国の現状を多面的に把握しようとしていることは指摘するまでもない。 重慶で調査を実施するにあたり、研究代表者である園田が潘とともに重慶に赴き、重慶社会科学院の協力を得ることにした。調査を行うにあたり、比較可能性が保障されるようなサンプリングが可能かどうか(市区のみに限定し、街道委員会をユニットにサンプリングできるかどうか)、質問文に不明な部分がないかなど、詳細な検討を行った。 実査は1998年10月からほぼ1カ月の時間をかけて行われた。サンプリングにあたっては、中間層が多く存在していると思われる渝中区から2つの調査地を選定し、残りの4区(沙坪土貝区、江北区、南岸区、九龍坡区)からは1つの調査地を選定した。すでにデータは入力され、現在はクリーニングを行っている段階である。 現時点で天津調査の結果と比べてみると、1)平均収入が低く金銭指向が強い、2)政治的無関心が強く、国営企業の影響力が強い、といった特徴を見いだすことが出来そうであるが、詳細な分析は今後に期さなければならない。最終的には、他の調査プロジェクトとの結果を含め、現代中国における中間階級調査をめぐるワークショップを開催し、専門書を刊行する予定となっている。
|