研究課題
国際学術研究
近年、急速な経済発展に伴う社会変動を惹起している中国・韓国の現代社会の理解にとっては、それぞれの民族社会の基層をなす社会的文化的構造の解明が不可欠である。本研究では、(1)共通の漢字・儒教文化圏の中核に位置する日・中・韓三国のそれぞれの民族的特質を比較的濃密に表出していると思われる村落(農・山・漁村)を対象として、(2)実証的比較研究を通して、(3)基層の社会・文化的構造の異同を明らかにするとともに、(4)三国の社会変動の個性的特質について検証することを目的とし、現地調査を実施した。現地調査は、中国山東省房干村、韓国忠清南道桃李里を対象とし、日本側研究者が中国・韓国の2班に分かれ、それぞれ相手国共同研究者と合流し、現地に入った。まず中国調査は、以下の日程で実施した。堀口健治(7月26日〜8月6日)、松川昭子(7月23日〜8月15日:うち7月26日〜8月6日は堀口と共同調査)、柿崎京一と大澤幸一郎(10月6日〜10月18日)。韓国調査は、今年度1回目の調査として以下の各々の日程で赴いた。柿崎京一(9/8〜9/20)、小玉敏彦と吉沢四郎(9/8〜9/14)、林在圭(9/1〜9/20)、黄元淳(9/1〜9/25)。また第2回目として、柿崎京一(3月22日〜3月31日)、林在圭(3月12〜3月31日)が調査を実施している。日本については、岐阜県白川郷および石川県能都町波並地区を対象として調査を実施した。、白川郷では、伝統的な民俗慣行「ユイ・コウリャク」、「生業の諸形態」、「大家族制」等について、能都町波並地区では、定置網漁業の漁業形態の変遷と生活諸慣行について研究テーマとした。各々の調査の成果については、日本側研究者による毎月1回の研究会を開催し、研究課題に関する文献研究および、理論、作業仮説の検討を行うとともに、調査によって得た具体的資料に基づいて、研究課題について明確にした。
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