研究課題/領域番号 |
09044046
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島村 英紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10011636)
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研究分担者 |
高波 鉄夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60002177)
西村 裕一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20208226)
村井 芳夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40301931)
長 郁夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 非常勤研究員
渡邉 智毅 北海道大学, 大学院・理学研究科, 非常勤研究員
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キーワード | 海底地震計 / 海底地震観測 / 大西洋中央海嶺 / スピッツベルゲン / 地下構造研究 / エアガン / 海陸境界 / プレート・テクトニクス |
研究概要 |
固体地球物理学の焦点は、海嶺でのプレートの誕生と大西洋の誕生である。海底を調べるには私たちが開発した海底地震計(OBS)を使った観測が不可欠である。去年までの本研究の結果を踏まえて、地震がどういう地下構造のところで起きるのか、大西洋がどういう成り立ちで出来たかを研究することが地球科学研究の次の課題になった。このため第3年次の本年度は、ベルゲン大学(ノルウェー)、ポーランド科学アカデミー地球物理学研究所、アルフレッド・ウェーゲナー研究所(ドイツ)との共同研究として、ノルウェー北部沖から北極海にかけての海域で実験を行なった。 北大からOBS約30台を運び、日本人のべ7名が渡欧した。実験は二部に分かれていた。最初はベルゲン大学の観測船でOBSのべ82台を設置して、強力なエアガン群列を使って人工地震実験を行なった。これほど多数のOBSと強力なエアガン群列を組み合わせて行なう制御震源地震学の実験は、本研究グループ以外には世界的にも例が少ない。ロフォーテン諸島の西方で長さ約150kmの測線を取り、そのうち南東端ではOBS20台の間隔は1km、エアガンは25m毎という世界でも例のない高密度観測を行った。こうして大西洋が割れたときに出来た洪水玄武岩の下部の地下構造、つまり昔の大陸と、後から出来た海陸境界の地下構造の詳細を調べた。反射法地震探査では洪水玄武岩の下の層は見えないので、私たちの手法による実験が必要だったのである。この付近は私たちが以前OBSを使って地下構造を探査しており、その結果発見した海陸境界のシャープな微細構造をはじめて明らかにした。 またドイツの南極観測船を使い、スピッツベルゲン西方で、私たちのOBS、ドイツの海底ハイドロホン、ポーランドの陸上地震計を使って制御震源地震学実験を行ない、深さ40-60kmにも達する深部地下構造を知ることが出来た。 また、年度末にアイスランドから研究者を招へいするとともに、日本側の研究者も各国を訪問して、最終的な研究取りまとめを行なった。
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