研究課題/領域番号 |
09044053
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
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研究分担者 |
高橋 幸弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50236329)
田口 真 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助教授 (70236404)
岡野 章一 国立極地研究所, 研究系, 教授 (10004483)
山岸 久雄 国立極地研究所, 研究系, 教授 (20132714)
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 研究系, 教授 (50132709)
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キーワード | 南極 / 地磁気 / ULF波動 / オーロラ / 無人観測 / 極冠域 / Pc3 / Pc5 |
研究概要 |
南極大陸に設置された無人観測網(AGO)によって、高緯度を中心としたネットワーク観測を継続する一方、それらによって得られた地磁気、オーロラ、VLF波動などのデータを米国側とも共同解析し、極冠域における電離圏磁気圏結合過程に関する多くの新たな知見を得た。日本側はAGOのサーチコイル磁力計による観測とデータ解析を担当しているが、それらとフラックスゲート磁力計のデータを詳細に解析した結果、以下のことが明らかになった。AGOではPc3帯の地磁気脈動が頻繁に観測されるが、磁気緯度70度付近では夜側に比べ昼側の頻度が高いのに対し、80度付近では時間依存が小さいことが見出された。また、コーン角が大きな場合でも高頻度で観測されることも分かった。惑星間空間磁場との比較から、発生源は衝撃波面の上流と推測され、磁力線マッピングなどを用いて波動の伝播経路を調べた結果、コーン角の小さいときには磁気圏前面部から、コーン角が大きいときには磁気圏尾部の高緯度および低緯度磁気圏境界から波動が侵入しPc3を発生させたと推測される。またPc5波動について解析した結果、磁気緯度72-74度では、ダイナミックスペクトルに奇数次の定在波に起因するアーチ構造が出現することが分かった。さらに、惑星間空間磁場が北向きのときに、このPc5の発生頻度が高くなることが明らかになった。このことは、Pc5の発生が、従来考えられていたKelvin-Helmholts不安定性や太陽風動圧変動だけではなく、高緯度磁気圏境界での地球磁場と惑星間空間磁場の再結合過程によっても影響を受けることを示している。本研究では、アメリカ側がAGOで取得したオーロラの単色全天画像と地磁気データを比較することで、カスプ領域におけるオーロラダイナミクスについても詳細な解析を行った。これらデータ解析の結果は、今後の観測・解析方法の打ち合わせとともに詳しく議論された。
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