研究課題
国際学術研究
昨年度の研究成果に基づき、本年度は、ミリ波赤外二重共鳴実験およびvan der Waals錯体の近赤外分光、および星間分子として重要なCH_5^+・CH_2^+の理論的研究を中心として共同研究を推進した。今年度、茨城大学側からは、天埜が3度、陳文初が1度NRC(カナダ国立研究機構研究所)を訪問し、一方、NRC側からは、P. R. Bunker. および、A. R. W. McKellarが茨城大学を訪問した。具体的には、天埜はNRCにおいて、CO-Arのミリ波分光を発展させ、ミリ波・赤外二重共鳴実験を試み、実験はその後もNRCにおいて継続中である。陳はCO-He,CO-Neといったvan der Waals錯体の赤外ダイオードレーザー分光による精密測定を発展させ、論文として取りまとめた。さらに、NRCに設置されているTi : Sapphireレーザーを用い、近赤外領域での(O2)2のスペクトルの検出を試みた。茨城大学においては、BWOをサブミリ波源とした分光装置が完成し、順調に稼動している。Bunkerは、茨城大学のサブミリ波装置によって検出可能ないくつかの星間分子について理論的な予測を行い未同定分子イオンのスペクトルの検出の可能性について天埜と討議した。Bunkerはまた大学院生むけに群論に関する連続講義を行った。McKellarは本共同研究によって得られた成果の一部をつくば(産業領域融合研究所)において行われたワークショップにおいて発表した。McKellarは茨城大学滞在中に実験にくわえで、今年度研究成果の総括および来年度以降の研究計画に関して茨城大学グループと討議した。一方、坪井はマルチビーム電波受信器の開発をほぼ完成させ、野辺山45m電波望遠鏡に搭載しテストを継続中である。FeldmanはJCMTにより観測された地球上層大気中の励起状態酸素スペクトルの解析に従事し、茨城大学実験室グループは、その解析に必要な圧力幅パラメータを求めた。以上述べたように、本共同研究は多大の成果をあげる事ができた。今後も、緊密な連絡を保ち、それぞれ、これらの成果をさらに発展させる計画である。
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