研究課題/領域番号 |
09044057
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20011546)
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研究分担者 |
中田 好一 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80011740)
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
松本 敏雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (60022696)
祖父江 義明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10022667)
奥田 治之 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
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キーワード | 赤外線宇宙天文台(ISO) / 初期銀河 / 銀河進化 / 星間物質 / 星の誕生 / 恒星進化 / 漸近巨星枝星(AGB星) / 質量放出現象 |
研究概要 |
本国際学術研究は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が、1995年11月17日に打ち上げた高性能赤外スペース天文台(ISO)を利用した国際共同研究により、銀河形成期や恒星の誕生期及び終末期における激しい活動現象に伴い生成する宇宙塵から放射される赤外線を観測し、始源銀河の形成や恒星の誕生・終末期の進化を解明することを目的とするものである。ISOによる観測はほぼ予定通り終了し、今年度はデータ解析の方法を確立し、本格的なデータ解析に着手するとともに、ISOにより発見された親天体の他波長による追観測を行った。データ解析は現在も継続されているが、今までに以下のような科学的成果が得られた。 銀河宇宙論グループは、赤外線深宇宙サーベイにより非常に良質のデータを取得した。観測結果を銀河形成進化のモデルと比較すると、遠赤外線源の数は、銀河進化なしのモデルの予想値の10倍もあり、過去の宇宙では強い銀河進化があったことが示唆される。 星間物質の研究グループは、銀河中心や星形成領域であるカリ-ナ領域、へびつかい座暗黒星雲などの遠赤外スペクトル観測を行い、多様な形態を示す星間空間の物理・化学状態を明らかにしつつある(詳細は略)。 恒星グループは、進化末期にある低温度星を系統的に観測した。巨星、超巨星の高分解能スペクトル観測により、比較的温度の高い早期M型にH_2Oの存在を確認し、また、星の周りに暖かい分子エンベロープが存在することを明らかにした。また、長周期変光星の赤外ダストフィーチャーを周期に沿って観測し、ダスト形成の過程を明らかにつつある。さらに、マゼラン雲球状星団の中間赤外域測光観測により、恒星進化の最終段階にあり激しい質量放出を行なっている、可視域、近赤外域では見えない厚いストに覆われた赤外線星を発見した。
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