研究課題
1. 昨年度に引き続き、チリのヨーロッパ南天天文台(ESO)ラシヤ天文台に設置した60cm電波望遠鏡を使用して、南天銀河のサーベイ観測を行った。銀河系中心領域、銀河系第4象限の観測を行うとともに、銀河系第1象限の一部も観測して、我々が長野県野辺山より行っている北天のサーベイときちんと接続できるようにした。また、りゅうこつ座イータ領域、みなみのかんむり座暗黒星雲の観測をすすめた。2. これまでに取得したデータを整理して、保存性が高く利用にも便利なCD-ROMに記録した。3. 観測データを解析して、銀河系の全体像を構築する研究を進めた。分担者のTom Dame博士、Leonardo Bronfman博士が堤供するCO J=1-0波長2.6mmスペクトル輝線のデータと、東大のグループがチリで取得したCO J=2-1波長1.3mmスペクトル輝線の詳細な比較を行い、その強度比から、銀河系内部の各所における分子ガスの物理状態を明らかにした。その結果をより深く検討するために、ラセレナおよびサンチアゴを訪問して関連研究者による研究打ち合わせ会議を行った。4. データを取るための観測装置の維持・改良を行った。特に、望遠鏡の駆動制御のパラメータを改良して望遠鏡を素早く天体に向けられるようにした結果、観測の能率が約50%向上した。
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