研究課題/領域番号 |
09044060
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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研究分担者 |
真下 哲郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60181640)
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (90220011)
川本 辰男 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (80153021)
駒宮 幸男 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (80126060)
折戸 周治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10092173)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | LEP / LEP-II / OPAL / 鉛ガラスカロリメター / 標準理論 / Wボソン / ビッグス粒子 / 超対称性理論 |
研究概要 |
世界最高エネルギーの電子陽電子衝突装置LEPは平成8年度よりエネルギー増強プログラムLEP2を始めた。平成9年度には衝突エネルギー183GeV、次の10年度には189GeVで実験を行ったOPAL測定器は順調に稼働し、東京大学が建設した最も重要な構成要素の一つである鉛ガラスカロリメターも高性能を維持し、質の高いデータを高い効率で収集した。このデータを最大に生かし、測定精度や新粒子探索の感度を上げるために測定器の性能チェックやキャリブレーションを詳細に行うとともに、物理解析方法を改良し、また新しい角度からの解析を開発してきた 主な成果としては: (1) 約4000のW粒子対発生事象を記録し、それを基に生成断面積のエネルギー依存性、全崩壊幅、各崩壊過程への分岐比等を測定し標準理論の予想が実験とよく合っていることを確かめた。またW粒子質量の測定精度はこれら大量のデータにより大幅に改善し、LEPの結果を総合すると陽子反陽子衝突実験からの結果を上回るものになってきた (2) 標準理論で期待される各種の反応過程を幅広く解析した。これにはフェルミオン対生成、Z粒子対生成、W粒子単独生成過程等が含まれる。これにより新しいエネルギー領域で標準理論をテストし、理論からのずれを生むかもしれない新物理の可能性について制限をつけた。 (3) 標準理論のミッシングリンクであるヒッグス粒子の探索を行い、その質量が約91GeVより重いという結果を得た。 (4) 標準理論を越える理論として最も有力な超対称性理論が予言する新粒子群を系統的に探索し、その未知のパラメータについてより厳しい制限を得た。 これらの結果は逐次国際会議等で報告され、学術専門誌に発表している。
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