研究課題/領域番号 |
09044063
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
山田 作衛 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 所長 (70011658)
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研究分担者 |
久世 正弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00225153)
鶴貝 達政 明治学院大学, 一般教育部, 専任講師 (50267366)
徳宿 克夫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (80207547)
浜津 良輔 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087092)
広瀬 立成 東京都立大学, 理学部, 教授 (70087162)
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キーワード | クォーク / 電子陽子衝突 / 標準模型 / HERA / ZEUS / 陽子構造関数 / WZ粒子 / 深部非弾性散乱 |
研究概要 |
ドイツDESY研究所に建設された世界初の電子陽子衝突装置HERAにおいて、ZEUS測定器を用い、深部非弾性散乱中の大運動量移行領域(高いQ2領域)の陽電子・陽子散乱を中心に、クォークやレプトンの内部構造と未知の相互作用を探索している。 高いQ2領域の事象発生頻度は非常に低いので、効率よくデータを集める必要がある。我々は初段トリガーを中心にデータ収集系の改善に努めた。実験は順調に進み、今年一年で27pb^<-1>の積算ルミノシティが得られ、今までの2倍以上のデータを蓄積することができた。 解析も順調に進んでおり、中性流、荷電流の断面積測定、W,Z粒子発生断面積の測定、光子発生事象の測定等が平行して進んでいる。このうち、光子発生事象の測定は平成7年に取得したデータをもとに論文を発表した。まだ統計が少ないが、標準模型からの予想との一致が見られた。より今年度に取られたデータを含めることにより、陽子や光子の構造関数のに関する知見が得られると期待する。 中性流、荷電流の断面積測定から、クォーク構造の探索を行う課題では、夏までに取得されたデータをもとに暫定的な結果をコンファレンス等で発表している。昨年度の発表論文時点と比べると、標準模型からの予測に近づいてきており、クォークの構造や未知の相互作用による異常の可能性は少なくなりつつあるが、現在取得した全事象を用いた最終結果を準備中であり、次年度中に終了させる見込みが立った。 新相互作用や新粒子の信号は、WやZ粒子発生と類似した事象に現れる可能性もある。オックスフォード大学のグループとの共同研究会を6月に東京で開催し、解析方針を議論した。以降、主にDESY研究所で共同解析が進行している。
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