研究課題/領域番号 |
09044069
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
奥野 正幸 金沢大学, 理学部, 助教授 (40183032)
|
研究分担者 |
WILLAIME Chr Universite de Rennes I. Institut de Geolo, 教授
REYNARD Brun Ecole Normale Superiure Lyon, Laboratoire, CNRS一級研究員
木原 國昭 金沢大学, 理学部, 教授 (70019503)
|
キーワード | マグマ / ガラス / 構造解析 / 斜長石 / ラマン分光法 / X線回折法 / 火山ガラス |
研究概要 |
本年度は、昨年度行った、高密度化した灰長石ガラスと火山ガラスの構造研究の結果に基づき、さらに、ガラスの高温・高圧での構造や、火山ガラスの高温での変化を調べ、そのまとめを行った. 1、 斜長石(NaAlSi_3O_8-CaAl_2Si_2O_8)組成のガラスを高圧力プレスを用いて、500℃で4GPa,7.7GPaの条件で圧縮した.これらのガラスの構造をラマン分光測定によって調べた. 2、 火山ガラスの高温での構造変化をラマン分光法で調べた.また、衝撃圧縮法を用いて圧縮した試料についてはX線回折法とラマン分光法による解析を行った。 3、 熔融超急冷法で作成したAl_2O_3-SiO_2系のガラスの構造をX線回折法、NMR法によって解析した. 4、 以上のような実験と構造解析により以下のような結果を得た. (1) 斜長石ガラスは高温高圧力下でまず、SiO_4及びAlO_4四面体のリング構造が小さくなり、続いてN原子の配位数が4から6に変化することにより密度が増加することが明らかになった.これより、地下でのマグマも類似の挙動をとっていると考えられる. (2) 火山ガラスはガラス構造を持つ部分と結晶類似のクリスタライトからなり、加熱や衝撃圧縮によって、ガラス構造を持つ部分が増大することが明らかになった. (3) 超急冷法に作成したAl_2O_3-SiO_2系のガラスでは、Alは4配位か6配位をとっており、ムライト等の結晶は融液の状態も同様な構造的特徴をもっていることが明らかになった. 5、 フランス側の代表者(Reynard)を日本に招へいし、日本側(奥野・木原)とともに研究成果についての討論を行った.また、奥野がフランスを訪問し、研究の一部を学術論文にまとめた.当初の計画では、もう1人を日本に招へいする予定であったが、本人の直前のけがで中止せざるを得なかった.
|