研究課題/領域番号 |
09044072
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀川 直顕 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (70022697)
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研究分担者 |
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
森 邦和 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (70022663)
岩田 高広 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (70211761)
石元 茂 名古屋大学, 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (50141974)
松田 達郎 宮崎大学, 工学部, 助教授 (20253817)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | スピン / 核子スピン構造 / COMPASS / 偏極標的 / クオークスピン / グルーオンスピン / QCD / ミューオンビーム |
研究概要 |
1.KOMPASS用超伝導電磁石の建設:COMPASSで使用する編極標的のための超伝導電磁石の設計を終えOxford Co. LTDにて製作を完了した。この時期、製作のための打ち合わせ、行程段階のチェック、CERNの実験室内の磁石設置台の検討を行った。この期間、CERNにおいては磁石の架台製作、排気系設計、排気ポンプのオーバーホールが完了した。その後、磁石をOxfordにて励磁テストを行ったがクエンチに伴う損傷がコイル、電線等に発生し作り直しを余儀なくされている。SMC用希釈冷凍機をCOMPASS用に熱遮蔽板の形状を改造し、標的サイズに合わせたホールダーを製作した。マイクロ波回路の出力、キャビテイへの伝送テストを行った。 2.ビームトラッカーの開発:標的のの上、・下流に設置し、ミューオンビームの入射時間・位置を分解能良く決める検出器として0.5mmφの直径のシンチレーションファイバーと多極電子増倍管(H6568)の組み合わせによるビームトラッカーを必要とする。そのため、平成9年度は原子核研究所にてファイバーの特性テストを行った。平成10年度にはプロトタイプを製作し、光電子増倍管の高圧ブリーダーの改造を行い、高計測率に耐えるようにした。平成11年度はCERNでパイ中間子ビーム、実際のミューオンビームで性能テストを行い、実機製作に入った。1000チャンネルを越える読み出し回路の購入も済ませた。 3.オフラインプログラムの作成:実測に入る前に、検出器モニター、データベース、パターン認識、運動学パラメターの決定、グラフィックス、各種シミュレーション等、事前に完備しておかなければならない。日本グループからも2人が参加し、グラフィックスは完了し、データベース作成等順次プルグラム製作を続けている。 4.GDH実験と偏極標的の開発:平成10年5月-10月にマインツ大学でGDH(Drell-Hearn, Gerasimov sum rule)和則の検証実験を行った。偏極光子-偏極陽子衝突でのπ生成断面積のスピン依存性を200-855NeVのエネルギー領域で測定した。これは正解最初のデータである。偏極標的はBonn大学が新しく製作した冷凍機を使い、凍結モードでの運転を成功させた。凍結モードでは測定中に偏極度をモミターすることが困難で、その編極度導出法を検討し偏極度を決定した。その値に基づいて散乱実験の論文を完成し投稿するとともにこれ冷凍機の論文も発表した。
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