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1998 年度 研究成果報告書概要

超低速中性子反応における空間時間反転の破れの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09044075
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関福井工業大学 (1998)
京都大学 (1997)

研究代表者

政池 明  福井工業大学, 工学部, 教授 (40022587)

研究分担者 PENTTILA S.  ロスアラモス国立研究所, 研究員
ROBERSON R.  デューク大学, 物理学部, 教授
BOWMAN D.  ロスアラモス国立研究所, 主任研究員
清水 裕彦  理化学研究所, 研究員 (50249900)
舟橋 春彦  京都大学, 理学研究科, 助手 (00283581)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワード空間反転 / 時間反転 / ヘリシティ非対称 / 低速中性子 / スピン回転角 / 陽子偏極 / p波共鳴 / La偏極
研究概要

本研究は中性子吸収反応においてへリシティ非対称度がp波共鳴上で核子-核子散乱に比べ大きく増幅している原因を探ることを目的として行われた。まず縦方向に偏極した低速の中性子を種々の中重核および重い核にあてたときの吸収断面積のへリシティ非対称度を測定し、増幅効果の核種依存性を徹底的に調べた。実験では中性子透過法およびガンマ線検出法を用い、標的としてはU,Th等A>220の核およびPd,I,In,Ag,Sb,Cs等A〜100の核を用いた。中性子のエネルギーは0.5〜150eVの広い領域にわたっており、その質量数依存性、中性子エネルギー依存性、スピン依存性等々の規則性を詳しく調べた。
この実験によって得られたp-波共鳴における入射中性子のヘリシティ依存性から弱い核力の結合定数が質量数Aによらず一定であることが分り、その増幅効果がs-p混合模型でほぼ説明できることが確かめられた。
またビーム方向と垂直に偏極した中性子がLa核を透過する際のスピン回転角を測定し、その回転角の大きさが、縦偏極中性子によって得られたへリシティ非保存の値と矛盾しないことが明らかにされた。
さらに弱い相互作用の行列要素を求めることによって中性子による時間反転測定の場合にパリティ非保存の場合と同様の増幅メカニズムが存在することが確認された。
一方時間反転の測定に必要なターゲット核特にLa核の偏極に成功し、さらに高温における陽子の動的偏極による中性子ビームのスピンフィルター法を完成させた。これらの偏極法は対称性の研究に新しい手法をもたらすものとして期待される。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 飯沼昌隆 他: "レーザ光による陽子スピンの偏極" パリティ. 12-12. 43-47 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Y.Matsuda: "Study of Parity Violation in Neutron Resonance Reaction in Nuclei" Memories of the Faculty of Science, Kyoto University, (Series of Physics, Astrophysics, Geophysics and Chemistry). 41-1. (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] B.E.Crawford et al.: "Nuetron resonance spectroscopy of ^<106>Pd and ^<106>Pd from 20 to 2000 eV" Phys.Rev.C. 58. 729-738 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] B.E.Crawford et al.: "Parity nonconservation in neutron resonances in ^<238>U" Phys.Rev.C. 58. 1225-1235 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.L.Stephenson et al.: "Parity nonconservation in neutron resonances in ^<232>Th" Phys.Rev.C. 58. 1236-1246 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Y.Matsuda: "Study of Parity Violation in Neutron Resonance Reaction in Nuclei" Memories of the Faculty of Science, Kyoto University, (Series of Physics, Astrophysics, Geophysics and Chemistry) Vol 41, No.1, (1998) Ph.D.thesis, Kyoto University. (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] B.E.Crawford et al: "Nuetron resonance spectroscopy of ^<106>Pd and ^<108>Pd from 20 to 2000 eV" Phys.Rev.C. 58. 729-738 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] B.E.Crawford et al.: "Parity nonconservation in neutron resonances in ^<238>U" Phys.Rev.C. 58. 1225-1235 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] S.L.Stephenson et al.: "Parity nonconservation in neutron resonances in ^<232>Th" Phys.Rev.C. 58. 1236-1246 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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