研究課題/領域番号 |
09044076
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
郷 信広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50011549)
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研究分担者 |
PARAK Fritz ミュンヘン工科大学, 物理学科, 教授
木寺 詔紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00186280)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | タンパク質 / 動力学 / ガラス転移 / 緩和時間 / X線結晶解析 / メスバウアースペクトロスコピー / 基準振動 / コンフォーメショナルサブステート |
研究概要 |
生体内で重要な役割を果たすタンパク質は、その生理活性機能に密接に関わる立体構造のゆらぎを示し、ゆらぎは低温では抑制され、約200K近傍でガラス転移に類似した現象を示し活性を失う。この実験事実はガラス転移点以上で獲得されるゆらぎが生理活性に必須であることを示している。タンパク質のガラス転移は、低温X線結晶構造解析によって、原子レベルでの詳細な情報を得ることができる。 本年度は昨年度の結果に加え、ミュンヘンのParak教授のグループがミオグロビンの200K近傍での低温X線結晶回折データを3つの温度で行い、その結果を京都のグループが理論的解析を行った。その結果を議論するために、6月21日から28日まで、京都から郷、木寺、鄭がミュンヘンに行き議論を行い、その結果に基づいて更に理論解析を進めた。その結果をミュンヘンからParak教授を12月3日から10日日まで招き、京都で議論を行い、Parak教授がその結果を文部省特定領域研究「タンパク質立体構造の構築原理」第5回ワークショップで発表した。 この解析によって得られた結果を要約すると、見かけ(内部運動+外部運動)のゆらぎは結晶の質に依存する大きなゆらぎを持つものの、内部運動が、R^<**>2=aT+bという形で表現され、aの値は調和振動を仮定した基準振動解析による結果とよい一致を示している。bはstaticな結晶中のdisorderによるものであり、内部ゆらぎはその上に調和振動をしている描像で表現されることが分かった。この結果は、X線結晶解析から求まる温度因子は電子密度分布を与えている性質から現れるもので、ガラス転移の存在と矛盾する結果ではなく、ミオグロビンの結晶中でのエネルギー曲面を直接反映したものでることに注意しなければならない。
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