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1998 年度 実績報告書

中性K中間子を用いたCP非保存の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09044083
研究機関大阪大学

研究代表者

山中 卓  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20243157)

研究分担者 貞本 雅祥  大阪大学, 大学院・理学研究科, 日本学術振興会特別研
原 隆宣  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70283827)
羽澄 昌史  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20263197)
瀧田 正人  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20202161)
長島 順清  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90044768)
キーワードCP非保存 / K中間子 / 弱い相互作用 / 稀崩壊
研究概要

本研究の目的のため、1996年から1997年にかけて米国フェルミ研究所において行ったKTeV実験の解析を行った。
まず、崩壊の過程においてCP(粒子・反粒子変換と、空間反転)の対称性が破れている(直接的なCPの破れ)ことを発見した。実験は、中性K中間子のK_L,K_Sが7π^0π^0、π+π-に壊れる4種類の崩壊の分岐比の比を精密に測定した。20%のデータを解析した結果、直接的なCPの破れの寄与を間接的なCPの破れの寄与で割った値はRe(ε^1/ε)=(28.0±3.0(stat)±2.6(syst)±1.0(MCstat))×10^<-4>(prcliminary)と、6σ以上で有意に0から離れていた。これにより、CPの破れの説明をしていた超弱理論を否定した。
また、新たなCPの破れの効果を発見した。これは、KL→π+π-e+e-の崩壊において、Kの重心系でπ+π-のなす面とe+e-の面の間の角度分布に非対称性があることからわかった。
更に、cpの破れを決める標準理論のパラメータを正確に求められることで有望な、K_L→π^0vv^^-崩壊を探索した。これは、π^0→e+e-γの崩壊を用いることによりバックグラウンドを押さえ、分岐比に対し<5.9×10^<-7>(90%CL,preliminary)の、世界で最小の上限値を得た。
また、CPの非保存を見ることのできる、K_L→π^0μμを探索し、その分岐比の上限値をこれまでの1/12まで下げた。
その他、将来のK_L→π^0vvの実験のために必要なガンマ線検出器の検出効率を測定する実験をKEK、京大、佐賀大などと共同で行った。これにより、CsIの結晶や、鉛とシンチレー夕のサンドイッチのガンマ線検出器の、光核反応による不感率を50MeVから1GeVの範囲のガンマ線に対して測定した。
更に、K_L→π^0vvの崩壊を観測し、その分岐比を測る将来実験を計画する会議を行い、今までの方針を変更して、新たな運動力学的的な制限をつける方法を検討した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Adams et al.: "Search for the Decay K_L→π^0vv^^-" Phys.Lett.B. 447. 240-243 (1999)

  • [文献書誌] J.Adams et al.: "Measurement of the Branching Fraction of the Decay K_L→π^+π^-e^+e^-" Phys.Rev.Lett.80. 4123-4126 (1998)

  • [文献書誌] J.Adams et al.: "Search for the Light Gluino via the Spontaneous Appearance of π^+π^- Pairs with an 800GeV/c Proton Beam at Fermilab" Phys.Rev.Lett.79. 4083-4086 (1997)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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