磁性体に於ける量子効果

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09044084
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 都 福仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10000837)
• 研究分担者: MYDOSH J.A. ライデン大学, カメリンオネス研究所, 教授 ; WASSERMANN E ゲルハルト メルカトール大学, 物理学科, 教授 ; HAMMANN J.M. フランス原子力委員会, サックレー国体物理学研究所, 所長 ; 赤井 久純 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70124873)
• キーワード: Heavy fermion / Kondo effect / SDW / Quadrupolar order / INVAR / Specific heat / Resistivity / Neutron Scattering

研究概要

平成9年度下記の研究を行った。
(I)重い電子系化合物Ce(Ru1-xRhx)2Si2(x=0,0.03 and 0.05)はKondo効果により約5k以下非常に狭い準粒子バンド(〜30k)が形成されフェルミ液体になる。準粒子のスピンの揺らぎについて研究した。
(イ)比熱、帯磁率の結果をSCR理論により解析しJ.Phys.Soc.Jpnに投稿した。
(ロ)電気抵抗、μSRによる研究。論文投稿準備中(フランスとの共著)。
(ハ)中性子散乱実験。論文準備中。また、ドイツとの協同研究継続中。
(II)重い電子系化合物Ce(Ru1-xRhx)2Si2(x=0.3,0.4 and 0.5)の量子相転移(T=0)に関する研究。
(イ)比熱、帯磁率の結果の一部はJ.Magn.Magn.Mater.に掲載される。また、本論文をJ.Phys.Soc.Jpnに投稿予定。
(ロ)μSR 及電気抵抗。(1)の結果と共にフェルミ、非フェルミ液体中のスピンの揺らぎに関する論文を投稿準備中。
(III)CeRh2Si2の中性子散乱による研究。Phys.Rev.B(1998)に掲載予定。
(IV)U2Rh3Si5は四重極相転移を伴った反強磁性相転移を示す。熱膨張、磁歪についての研究がPhys.Rev.B(11月、1997)に掲載された(オランダのグループとの共著)。また、強磁場(20T)でのメタ磁性転移について解析中(オランダのグループとの共同研究)。
(V)CeA13 薄膜の磁性についてPhysica B(1998)に掲載予定(ドイツのグループとの共著)。
(VI)URu2Si2の圧力下の中性子散乱による研究継続中(オランダのグループとの共同研究)。

研究成果

• [文献書誌] Y.Miyako, T.Takeuchi, S.Kawaraki, M.Acet, et.al.: "INVAR like behavior of heavy electrons in Ce (Ru_<0.85>Rh_<0.15>) _2Si_2," Physica B. 230-232. 1014-1016 (1997)
• [文献書誌] Y.Miyako, T.Taniguchi, Y.Tabata, H, Tanabe, et.al.: "Low temperature specific heat of Ce (Ru_<1-X>Rh_X) _2Si_2and (Ce_<1-X>La_X) Ru_2Si_2," Physica B. 230-232. 123-125 (1997)
• [文献書誌] Y.Miyako, T.Takeuchi, T.Tamnda, K.Oda, et.al.: "Coupled Spin-Lattice Transition in U2RhSi5 : Thermal Expansion and Magnetization." Phys.Rev.B. 56. 10778-10781 (1997)
• [文献書誌] Y.Miyako, T.Taniguchi, et.al.: "Low temperature specific heat of UNiSi_2" J.Magn.Magn.Mater.177-181. (1998)
• [文献書誌] Y.Miyako, R.Hamada, et.al.: "Resistance and magnetic behavior of Ce_<1-X>Al_X thin films at low temperature" J.Magn.Magn.Mater.177-181. (1998)
• [文献書誌] H.Akai, M.Sohroeter, at.al.: "Aspect of martensitic phase transformations in transition metal alloys" Physica B. 237-238. 348-350 (1997)