研究分担者 |
MYDOSH J.A. ライデン大学カメリン, オネス研究所, 教授
HAMMANN J.H. フランス原子力委員会, サックレー固体物理学研究所, 所長
河原崎 修三 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028262)
三宅 和正 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90109265)
赤井 久純 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70124873)
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研究概要 |
研究課題が『磁性体に於ける量子効果』でありCe金属間化合物に於けるKondo効果に関係した研究が主体である。主な研究内容を箇条書にした。 (1) CeRu_2Si_2は近藤温度が24Kで基底状態はフェルミ液体である。100K以上の高温ではCeの4f電子のスピンは局在しているが低温では遍歴的な準粒子になっている。この2つの異なる電子状態間の温度による遷移を3d電子系のFe合金に見られるlow spin-high spin statesの2準位間の遷移によるINVAR効果による結晶の体積変化と対応させる。 (2) 最近の重い電子系研究のトピックスとして非フェルミ液体的振舞いの原因とその基底状態の研究がある。非フェルミ液体的振舞いは常磁性と反強磁性相の境界付近で現れT=0の相転移の可能性が指摘されている。Ce(Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2の基底状態は0.03<x<0.4がSDW,x>0.5がq(1/2,1/2 ,0)の反強磁性である。この物質は3つの臨界点をもつ利点がある。X=0.03ではフェルミ液体であり、q_3(0,0,0.35)の相関長は60Aである。x=0.03の臨界点では非フェルミ液体的現象は現れず、x=0.4,0.5で生ずる。x=0.4,0.5の臨界点ではT<2Kで4f電子のスピンは局在型から遍歴型に変化し、局在スピンは0.001μ_B程度までKondo効果により消失していることがμSRから明らかになった。また非フェルミ液体的振舞いはRu,Rhのランダム分布のため磁気相互作用の競合が生じshort range orderの発達がないことがμSRにより示唆されている。 Ce(Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2のフェルミ、非フェルミ液体を示すx=0.03.0.4,0.5等について相転移をT_N<0の領域にまで拡張したscaling理論により解析しT=0で帯磁率、比熱は発散傾向を示すが、転移温度はT_N<0でありT=0で相転移がない事を示した。 理論的研究ではスピンの揺らぎが支配的な場合、帯磁率の温度変化が動的臨界指数z=2のとき1-aT ^<1/4>z=3のとき1-bT ^<1/3>になることを示すと共に、UPt_3,URu_2,Si_2のtiny momentの磁性の理論的研究を行った。
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