研究課題/領域番号 |
09044087
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤坂 一之 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025368)
|
研究分担者 |
田村 厚夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (90273797)
山田 博昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030767)
CLARE K. Woo ミネソタ大学, 生物化学科, 教授
|
キーワード | 高圧NMR / 蛋白質 / BPTI / 二次元NMR / N-15 NMR / 化学シフト / 水素結合 / 主鎖コンフォメーション |
研究概要 |
蛋白質うし牌臓トリブシンインヒビターBPTIを主たる対象に、神戸大学で開発したオンライン超高分解能高圧NMR装置を用い、加圧による蛋白質の構造変化について原子レベルの分解能で研究した。 1。 N-15標識BPTI試料(Woodward教授が準備)について、軽水(90%H20/10%D20)中1〜2000barの圧力範囲で、15N/1H核二次元NMR測定を行った。15Nの信号の圧力に対する強い低磁場シフトの傾向(平均値0.47ppm/2kbar)は加圧によるNH---O=CまたはNH---OHのN---O水素結合距離の短縮に由来し、加圧による残基毎の15Nシフトの顕著なバリエーション(0〜1.5ppm/2kbar)は主鎖二面角φとΨの残基毎の変化(β-シート領域で、Ψは2kbarで1〜2度程度減少)を反映していると解釈される。 また圧カシフトの平均値が、ヘリックス及びループ領域で大きく(それぞれ0.553ppm/2kbar及び0.519ppml2kbar)、β-シート領域で小さい(0.295ppm/2kbar)ことから、前者が後者に比べより大きい圧縮性を持つと考えられる。 2。 BPTIのアミド水素と溶媒の水との交換速度の圧力依存性の測定を行った。また、26アミノ酸よりなるメリチンの酸性水溶液中でのランダムコイル状態について、アミド水素の圧力シフトを測定し、加圧による水との水素結合の短縮を明らかにした。 3。 N-15標識BPTlについて、1〜2000barの圧力範囲で15Nスピン緩和の測定を行い、加圧による内部運動の変化について、研究の端緒を開いた。 4。 加圧下での二次構造変化をより正確に知るため、C-13標識BPTI(Rutgers大、Dr.Montlioneより供給)について、加圧に伴う13C化学シフトの変化を初めて測定した。
|