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1997 年度 実績報告書

有機ケイ素化学を基盤とする新規物質科学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09044101
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関東京理科大学

研究代表者

櫻井 英樹  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70025873)

研究分担者 三治 敬信  東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)
阿部 芳首  東京理科大学, 理工学部, 教授 (20084460)
WEST Robert  ウィスコンシン大学, 化学科(米国), 教授
キーワードポリシラン / ブロック共重合体 / マスクしたジシレン / アニオン重合 / 高分子ミセル / 臨界ミセル濃度 / シロール / σ共役
研究概要

今年度は、主として日本側が米国・ウィスコンシン州マジソン市のWest研究室で以下の項目について調査研究を行った。
1.ポリシランに関する研究
マスクしたジシレンのアニオン重合によって、ポリシランと親水性炭化水素系ポリマーである(ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)とのブロック共重合体の合成を行った。ブロック共重合体は、光散乱法によりメタノール溶液中で、ポリシラン鎖がミセルの内部の疎水的環境で凝集し、溶媒との相互作用のない固体状態(全-トランス構造)で存在しており、PHEMAがそれを保護するような粒径約50nmの高分子ミセルを形成していることがわかった。また共重合体はUVスペクトルは、あるポリマー濃度以下で吸収スペクトルの劇的な変化し濃度依存性を示した。このスペクトルの濃度依存性は、ポリシランミセルのいわゆる臨界ミセル濃度(cmc)に対応し、ミセル形成にともないポリシラン主鎖のコンホメーションが大きく変化するためと考えられる。また溶媒組成を変えることによっても、ミセルから単分子また逆ミセルへの形態変化に応じた吸収スペクトルの変化が観測された。このような高分子ミセルの形成はこれまで報告はあるが、ポリマー自体に吸収があり、そのナノ組織化の過程を追跡出来るのは非常に興味深い。
2.シロールを主鎖骨格に組み込んだポリシラン
日本側は、シロール環とテトラシランが環状に結合したスピロ化合物の触媒量のブトルリチウムによるアニオン開環重合により、シロール環とテトラシランが高度に規則正しく交互に配列したポリシランの合成を行った。またWest研では、シロールジアニオンとジクロロシラン類との反応によってシロールを主鎖骨格に組み込んだポリシランの合成を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Anionic Ring Opening Polymerization of Octamethyltetrasilacyclopentane" Chem.Lett.1121-1122 (1997)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Kinetics of Chain Organization at the Thermochromic Transition of Polysilanes" Chem.Lett.255-256 (1998)

  • [文献書誌] H.Sakurai: "Anionic Polymerization of Silicon-Containing Rings" Phosphorus,Sulfur,and Silicon. in press.

  • [文献書誌] H.Sakurai: "John Wiley & Sons" Mechanism and structures in alcohol addition reactions of disilenes and silenes(in press),

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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