研究課題/領域番号 |
09044101
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
櫻井 英樹 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70025873)
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研究分担者 |
三治 敬信 東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)
阿部 芳首 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20084460)
WEST Robert 米国, ウィスコンシン大学化学科, 教授
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キーワード | シリレン / ジシレン / 反応性中間体 / ポリシラン / ブロック共重合体 / ミセル |
研究概要 |
今年度は、米国側のウィスコンシン大学のRobert West教授を東京理科大学に招へいし日本側との、ポリシランに関する研究およびシリレン。カルベン系の研究について打ち合わせおよび調査研究を行った。 また日本側が、米国・ウィスコンシン大学マジソン市のWest研を訪問し、研究調査を行った。今年度の調査研究は以下の項目である。 1. シリレン・カルベン系の研究 t-プチル(メシチル)シリレンやジメシチルシリレンなどについて、マトリックス中でシリレンが2量化しジシレンを生成する過程を直接UVスペクトルにより測定し、その速度論的パラメーターを計算した。また、分子内二量化によるジシレンの生成を検討した。前駆体としてトリシランをメチレン鎖で連結したような化合物を設計しその光照射により二つのケイ素上にシリレンを発生させ分子内二量化反応の検討を行い、その過程を紫外可視吸収スペクトルにより追跡した。またEPAマトリックス中での光照射後においては、シリレンが分子内に二つ生成しその後、分子内二量化によって生成したジシレンが捕捉された生成物が確認された。 2. ポリシランに関する研究 マスクしたジシレンのア二オン重合法を用いてポリシランと極性ポリマーのポリメタクリル酸とのブロック共重合体の合成を行った。合成したブロック共重合体はポリシランのみでは不溶である水に溶解し、ポリシラン鎖がミセルの内部の疎水的環境で凝集し、ポリメタクリル酸鎖がそれを保護するような粒子径約100nmサイズの高分子ミセルを形成していることがわかった。またこのミセルのコロナを形成しているポリメタクリル酸鎖のカルボキシル基をジアミノ化合物により架橋させ、ポリシランミセルを完全に固定化させた新規なShell-Cross-LinkedMicelles(SCM)を合成した。このようにポリシランをナノメーターサイズのミセル中に閉じこめることによる新たなナノ組織体としての機能について精査している。
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