研究課題
フェムト秒レーザーを用いたpump-probe法と光電子画像観測法を組み合わせた新しい実験法として、「時間分解光電子画像観測法」を開発した。NOのA状態を経由した光イオン化によって、s電子が主にp波となって放出される様子を画像化し、飛行時間型光電子分光によって得られている散乱分布を再現し、装置の動作を確認した。さらに、無輻射遷移の中間ケースとして最も有名なピラジンのS_1状態について、一重項状態からのdephasingと三重項状態のbuild-upを光電子エネルギーの変化として観測した。角度分布は、ピコ秒の領域で異方性因子の増大減少を示し、分子の整列状態の変化や核スピンとの結合による偏向解消を示唆した。ブルガリア科学アカデミーのPavlov博士との共同研究によって、ホローファイバーを用いたフェムト秒パルスの圧縮装置を開発した。このようにして開発された装置は、オゾンをはじめとする大気化合物の光解離動力学を明らかにする装置として有効であり、Faraday Discuss.Chem.Soc.をはじめとする学術誌に投稿済みあるいは準備中である。
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