研究課題/領域番号 |
09044113
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
島村 勲 理化学研究所, 原子物理研究室, 副主任研究員 (30013709)
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研究分担者 |
MCCANN J.F Durham大学, 講師
CROTHERS D.S Queen's大学, 教授
島倉 紀之 新潟大学, 理学部, 教授 (40111314)
中崎 忍 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041001)
市川 行和 宇宙科学研究所, 教授 (20013667)
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キーワード | 原子過程 / 原子衝突 / 原子過程論 / 多価イオン / イオン・原子衝突 |
研究概要 |
本年度は研究分担者3名が英国の諸大学を訪問、共同研究・打ち合わせを行った。また、研究代表者は、国際会議の機会を利用して英国側代表者と本国際学術研究による日英共同研究全体のとりまとめの協議を行い、さらに具体的な共同研究打ち合わせのために英国の大学を訪問した。 中崎忍はクイーンズ大を訪問、R行列法によりリチウムイオン中空状態における直接・間接電離過程を研究した。Liの光電離と、電子・リチウムイオン衝突とを同じ連続状態波動関数を使って計算、Mullerらが報告し話題になっている特異な3重励起共鳴状態を再現し、Berringtonとの共著論文を発表した。また、ほう素、キセノンの電子衝突断面積をも計算し、市川行和、Berringtonらとの共著論文を発表した。さらに、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリイオンの電子衝突による励起過程もR行列法により、日英共同研究することを開始している。 島倉紀之はDickinson、McCannを訪れ、共同で、低エネルギーイオン・原子衝突での電子捕獲過程に現れる興味深い共鳴現象につき研究すべく、とくにNa^++H^-系について計算を行う計画を開始、そのためのポテンシャルエネルギー計算を現在行っている。 原俊介はArmourを訪問し、ポジトロンと水素分子との相互作用につき、さらにロンドン大のHumberstonを訪れ、ポジトロンと水素原子との衝突過程につき共同研究を始めている。 島村勲はArmourとの共同研究者、Harstonと共同で、原の助けも得て、ミュオン分子の特異共鳴状態の微細構造を摂動計算し、共著論文を発表した。現在、ほぼ同じメンバーでミュオン分子のオージェ過程の計算を行っている。また、McCannを訪問して、ミュオンや反陽子などの負電荷粒子が原子に捕獲される過程の共同研究を具体的に計画した。これらの負電荷粒子過程の研究は、多価イオン過程との相違を浮き彫りにして、多価イオン物理学の側面を明らかにするのに役立つ。
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