研究課題/領域番号 |
09044117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
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研究分担者 |
MINKOV DORIAN 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30291264)
渡辺 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
中島 美樹子 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80005488)
RAJA KRISHNAN SELVA 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40302179)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 環境助長割れ / 原子炉構造材料 / き裂進展 / 非破壊計測 / マイクロサンプリング / 水化学 / すべり溶解モデル |
研究概要 |
原子力発電設備の安全性確保は世界共通の重要課題であり、その中でも特に、高温高圧水環境中における環境助長割れ速度の定量評価が重要である。しかしながら、環境助長割れは関与因子の多様性よりその予測はまだ不十分と言わざるを得ない。 本研究では、本研究代表者らの学術的基礎研究の成果を環境助長割れに関して豊富な実機データを有しているロシアにおける研究成果と有機的に連携されるための調査研究を行ったもので、主な成果は以下の通りである。 1)腐食疲労き裂進展速度に及ぼすMnS介在物の形態について調査し、鋼中の全S量が重要なのではなく、MnSの大きさの分布が重要であることを明らかにし、高S含有量でMnS介在物粒子を小さく分布させたロシア製圧力容器材について東北大学において試験を実施し、予測通りき裂進展の加速が認められないことを検証した。 2)微小欠陥の検出法について調査し、集中誘導型交流電位差法及び近接端子直流電位差法の有効性を確認し、ステンレス鋼溶接部における内面欠陥を外面より探傷する共同研究を立案し、今後実施することとした。材料はロシア構造材料中央研究所において準備し、東北大学が計測に協力することとした。 3)表面被膜の経年劣化と環境助長割れの関連について調査し、接触電気抵抗法及び被膜成長に伴う起電力の測定について研究成果を交換し、中性子またはγ線照射による被膜成長起電力の変化に注目し、照射誘起応力腐食割れとの関連を明らかにした。 4)VVER型原子力発電プラントにおける環境助長割れ事例に基づき、その改善策について調査し、材料、欠陥検出及びき裂進展速度評価について有力な予測手法を提案した。 5)低圧蒸気タービンの凝縮部における環境助長割れに関して調査し、試験設備及び解析手法について具体案をまとめ、薄水膜条件下おける腐食の評価にケルビンプローブの有効であることを明らかにし、一部実験を行った。
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