研究課題
波長が2〜20μm帯の赤外波長帯では、近赤外波長帯の石英ファイバのような、フレキシブルで超低損失、且つ安定な伝送路が存在しないために、信頼性を有する伝送装置の構築に当たっては、多くの解決しなければならない問題が山積していた。本研究では、誘電体内装中空導波路をベースとし、主に医療へ応用することを念頭に置き、赤外波長帯で、高いエネルギーと大きな光電力をフレキシブルに伝送する高効率・高機能伝送システムの構築を最終目的とし、国際的な共同チームを組み、研究を行った。先ず始めに、そのための基礎として、送液法に基礎を置く低損失中空導波路の高効率な製作法を開発した。次に、得られた中空伝送路を実際の医療現場へ導入し、歯科治療分野において、その有用性をを実証した。更に、それらの伝送装置の新たな応用分野についてち調査研究を行い、新しい応用分野の創成についての可能性を見出した。本研究での、主要な具体的な実績の概要は以下の通りである。1. 国際研究集会の開催と生体医療光学の調査スウェーデンではBiOS Europe'98を、米国においてはBiOS'99を共同研究者と共に開催し、多くの研究者を一堂に会し、生体医療光学の研究の一層の発展を図った。そしてまた、国際的な視野に立ち、レーザ治療についての問題について討論を行い、国際共同研究の更なる発展を図った。2. 誘電体内装中空導波路の低損失化、高効率製作法、高機能化の研究赤外波長帯での伝送装置の超低損失化を行うと共に、送液法に基礎を置いた伝送装置の高効率製作法を開発した。また、幾つかの赤外波を同時に伝送できる装置、単純で且つ高効率なレンズ付きテーパー型入射光学装置を実現した。更に、中空導波路の端面シーリング法等についても新たな考案を行った。
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