研究課題
国際学術研究
赤外波長帯で高いエネルギーと大きな光電力を伝送する医療用の高効率・高機能伝送システムの構築を目的とし、研究を行った。主要な研究成果を以下に示す。1. 国際研究集会の開催と生体医療光学の推進共同研究者と共同し、ヨーロッパ、アメリカで4回の赤外伝送装置に関する国際会議のセッションを開設し、生体医療光学の研究の発展を図った。2. 赤外波長帯に於けるポリマーの光学定数の測定可視から中赤外波長帯で分散性を有するポリマーの屈折率、消衰係数を同時に計測する手法を開発した。これを基に、薄膜化可能な多くのエンジニアリングプラスチックの光学定数を導出した。3. ポリマー内装中空導波路の低損失化の研究内装用のポリマーのペレットを溶かす溶媒、溶媒の濃度、送液速度は、均質な膜の形成にとって重要な因子であることを見出した。長さは2m、内径1mmから540μmの低損失ポリマー内装銀中空ガラス導波路を製作することに成功した。4. レンズ付きテーパー型高効率入射結合器に関する研究レンズ付きテーパー型入射結合器を考案し、実験的にその有効性を確認し、装置の低損失化を行った。5. 多波長同時伝送赤外中空導波路の製作内装誘電体として、環状オレフィンポリマーを用い、その膜厚を適当に選ぶことにより、炭酸ガスレーザ光、エルビウムヤグレーザー光、エイミング光としての赤、あるいは緑の光を同時に伝送できる中空ファイバの開発を行った。6. 中空導波路の封止技術に関する研究中空導波路先端を封止する単純な手法を開発すると同時に、エルビウムヤグレーザ光に対する封止フィルムの電力容量を明らかにした。封止膜厚に最適値があることを見出した。7. Er:YAG用伝送路の各種医療への応用環状オレフィンポリマーあるいはポリイミドを内装した中空導波路を、歯科治療機システムへ応用した。また、眼科への治療への予備実験も行った。
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