研究課題/領域番号 |
09044130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
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研究分担者 |
任 暁兵 筑波大学, 物質工学系, 助手 (50292529)
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
大嶋 建一 筑波大学, 物質工学系, 教授 (70109271)
鈴木 哲郎 国際科学振興財団, 専任研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | マルテンサイト変態 / 単結晶 / Ti-Ni単結晶 / 変態前駆現象 / R相変態 / Ti-Ni / Ti-Ni-Cu / Ti-Ni-Fe |
研究概要 |
日・ロ共同でTi-Ni系合金単結晶におけるマルテンサイト変態の系統的研究を行い、以下の成果を得た。(1)Ti-Ni系では合金組成によって3種類の異なるマルテンサイト変態を起こす。このため、Ti-Ni、Ti-Ni-Cu、Ti-Ni-Fe3種類の合金単結晶を用い、直方体共振法により弾性定数を系統的に測定し、以下のような興味深い結果を得た。この系では、変態点に向かっての冷却に伴って、弾性定数c'のみならずc_<44>も軟化する。B2-B19'(単斜晶)、B2-B19(斜方晶)、B2-R(三方晶)の3種類の変態に対応して、弾性異方性(A=c_<44>/c')の温度依存性は大きく異なり、変態の型とAの温度依存性の間に密接な関係のあることが明らかになった。又この合金系でのみ現れるB19'マルテンサイトの生成はc_<44>とAの温度依存性でよく理解できることが示された。(2)B2-B19変態をするTi-Ni-Cu合金の中性子非弾性散乱の測定によってフォノン分散関係を測定し、1/2<110><11^-0>ブリュワン・ゾーン境界に予想通りフォノンのソフト化を見出すことができた。(3)B2-R変態をするTi-Ni-Fe合金のin-situ電子顕微鏡観察により、incomensurate相の特徴を明らかにすることができた。(4)従来未決定だったR相の構造を精密に決定することができた。(5)Ti-Ni合金結晶の引張及び圧縮試験を行い、応力誘起マルテンサイト変態並びに超弾性の方位依存性を明らかにすることができた。 以上のまとめに記したように、本研究の初期の目的を十分達成できたと考えている。
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