研究分担者 |
吉田 岳人 松下技研(株), 光エレクトロニクス研究機構, 研究員
AZIZ M.J. ハーバード′, 応用科学科, 教授
GEDREGAN D.B オークリッジ国立研究所, 固体物性部, 研究員
LOWNDES D.H. オークリッジ国立研究所, 固体物性部, 研究リーダー
YOSHIDA T. Matsushita Res.Inst.Tokyo, Inc., Research
GEOHEGON D.B. Oak Ridge NL,Solid State Div., Researcher
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研究概要 |
二年間にわたり,上記研究課題について国際共同研究を進めた結果,以下のような具体的な研究成果を得,数msの時間領域でナノ微粒子の表面修飾を行えば,さらなる機能化が可能なこと,さらに,レーザーアブレーションによって不純物の混入していない,高効率な可視発光を呈するナノ構造が作製可能なことを明らかにした. [I] 時間分解構造測定:1)レーザープラズマ軟X線吸収分光法を用いたレーザーアブレーション後15μsまでの時間領域の測定ではSiナノ微粒子は検出されない.2)一方,時間分解光ルミネッセンス測定と時間分解レーリー散乱測定では約1ms前後でSiナノ微粒子からの発光,散乱が増加しており,この時間領域においてSiナノクラスターが生成していること,特にHeとArガスではナノ微粒子が形成される空間が異なる.3)新しく開発した時間分解第二レーザー分解発光分析測定によって,数100μsから約1msの間にナノ微粒子が生成されている,ことを明らかにした. [II] シリコン系ナノ微粒子薄膜の作製:1)堆積膜の光ルミネッセンス測定では3つの可視発光バンドが得られ,特にSiナノ微粒子表面の酸化層によって保護すると可視発光強度が増す.2)気相中で生成されるシリコンナノ微粒子なサイズ2〜3nmのものが主である.3)レーザーアブレーションで堆積したSiOx膜からSiO2膜中に埋め込まれたSiナノ結晶構造をアニールで作製し,それが高輝度で発光するにはx=1.3〜1.4の組成が最適の条件である.(これは赤外吸収測定とイオン後方散乱測定による.)4)SiGeナノ微粒子からなるEL素子構造を試作し,EL可視発光が可能である,ことを示した.
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