研究分担者 |
石井 久夫 名古屋大学, 大学院(理), 助手 (60232237)
関 一彦 名古屋大学, 大学院(理), 教授 (80124220)
奥平 幸司 千葉大学, 工学部, 助教授 (50202023)
原田 義也 千葉大学, 工学部, 教授 (20013477)
長谷川 真史 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10228447)
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研究概要 |
CAMDにおいて有機薄膜専用装置を完成させ,ピロリルSAM'sの光電子の出射角eΘ\依存性測定に成功した。測定不ベクトルを,分子力学計算で推測した分子配列での計算スペクトルと比較することで,ビロリルSAM′sの表面官能基であるビロール環の配向に関する知見を得た。 様々な有機薄膜の角度分解紫外光電子スペクトル(ARUPS)の強度解析を行い,分子配向,表面/界面電子状態,反応などについてこれまでにない知見が得られた。以下に代表的な結果を示す。Au(111)面上に真空蒸着法によりn-C_<44>H_<90>の単分子層を作成し,低速電子線回折(LEED)測定おいて2x2様の回折パターンを得た。ARUPSの垂直放出スペクトルの励起光の入射角依存性を光電子放出の選択則に基づいて解析した結果,n-C_<44>H_<90>のトランスzig-zagchainを含む分子平面が基板平面に対して平行になっていることが結論された。さらにARUPSスペクトルの放出角依存性を分子内バンド分散効果を考慮して解析した結果と,IAC近似に基づくシミュレーション計算との比較およLEEDの回折パターンから,n-C_<44>H_<90>分子の分子軸は基板であるAu(111)面のF-M方向に並んでおり,隣接するn-C_<44>H_<90>分子間の距離がAu(111)面の隣接原子間隔の2倍の長さに相当していることが明らかになった。またn-C_<44>H_<90>/Au(111)界面電子状態に関する知見を得た。 真空紫外(VUV)光照射により化学変化したPMMAのARUPSを測定し,光電子強度解析から,VUV光照射によるPMMA光化学反応生成物は,主に炭素-炭素の2重結合が主鎖において,共役系をなしているvinylene構造をもつことがわかった。 π電子系の側鎖をもつPoly(2-vlnylnaphthalene)(PvNp)薄膜の,放射光(SR)を用いた角度分解紫外光電子スペクトル(ARUPS)の測定から,、PvNp薄膜表面での側鎖の配向分布に関する定量的な知見を得ることに成功した。この角の平均値は軟X線吸収スペクトル(NEXAFS)から得られる結果と一致した。
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