研究課題/領域番号 |
09044138
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幸田 清一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011107)
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研究分担者 |
ROSSI Michel スイス連邦工科学院, ロザンヌ校, 研究員
MOLINA Mario マサチューセッツ工科大学, 教授
秋元 肇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50101043)
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キーワード | 大気界面化学 / 気液界面 / 不均一反応 / 海塩粒子 / 活性ハロゲン / 極成層圏雲 / オゾン破壊 / 酸性雨 |
研究概要 |
1.対流圏、成層圏における不均一反応に関し、多面的に取り組み、相互補完的に総合化することにより、大気環境動態の解明と予測に資するのが目的である。それぞれの研究者が、各個研究の格段の進展を目指すと同時に、相互啓発と共同研究の実施により、成果の総合化をはかる。対象は、二酸化イオウNOx類の不均一反応の進行過程、成層圏オゾンの消長に関する成層圏雲などの不均一反応の物理化学的な基礎の確立、成層圏の氷上のハロゲン化合物の不均一反応化学の機構、速度に関与する知見の深化、対流圏におけるオゾン生成・消滅に関わる海塩粒子や、これらの重要な各論の理解に裏づけられた不均一反応一般である。 2.(1)幸田(大気中の気液界面における物質移動と不均一反応)はインピンジング・フロー法の完成度を高め、NOx、OHなどの重要な化学種の気液界面過程の解明を行い、不均一反応への寄与の機構と程度の定量的な解析を試みた。(2)秋元(海塩粒子と活性ハロゲン生成、そのオゾン反応への寄与)は、NaBr等の海塩とオゾンとの反応によるBr_2などの発生の有無とその速度の解明を進め、臭素関連化学種の発生や不均一反応、後続過程が地表オゾンの消長に及ぼす効果を検討した。(3)Molina(極成層圏雲上の不均一反応化学)は成層圏雲の生成の物理化学、実験室において生成したモデル成層圏雲上におけるハロゲン化合物、窒素酸化物関連化学種の不均一反応を検討した。(4)Rossi(大気不均一反応の速度論と大気環境化学)は亜硝酸と塩化水素などの不均一反応を独自のクヌッセンセル法で解析した。 3.相互協力の進展のため、幸田が平成9年6月にMolinaを訪問、11月にRossiが幸田を訪問。また研究協力者の廣川、梶井(先端科学技術センター)、及び高見(工学系研究科)が研究協力、ないし調査研究を行った。
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