研究課題
共同研究者のUPT-EPGのアルコール発酵プラント(100kl/d)はJICAの援助によって、9年前主に協和発酵(株)が設計納入したものである。当初は良質のカサバを原料として発酵されていたが、カサバが高価になり、現在では比較的安価な廃糖蜜(molasses)が原料として用いられている。しかしmolassesはカサバと異なり、アッシュや無機塩などの発酵不可な成分を多分に含み、発酵の生産性を落とすばかりか、多くの老廃物も出す。molassesを原料としたエタノール生産による廃液はアルコールの生産量の9倍にも達し、この廃液が公害の源になっている。本研究は膜分離法を用いることで、長時間発酵効率を高度に維持しながら、廃液の少ない発酵システムの構築について研究した。その結果、生成物阻害を軽減するため、pervaporation(PV)法で、またashによる不純物阻害を軽減するため、精密ろ過(MF)と沈降法を用いて、発酵システムを構築したところ、500時間酵母を交換することなく高生産性を維持し、廃液を従来の1/3に減らすことが出来た。このことを1999年3月7日に農工大学で開催した"The 3dt The Role of Bioresource-Based Industry on The National Development"のSymposiumで報告した。このsymposiumにはBrotodiningratインドネシア大使とインドネシア本国からIrawadi副大臣が、また西脇本大学工学部長の出席のもと、インドネシア留学生に大きなインパクトを与えた。
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