研究課題
国際学術研究
この数年、暗号系への攻撃法の進展は目覚しく、特に、IDに基づく暗号鍵配送方式に対するcoppersmith法や、アメリカ標準暗号DES、日本で提案されたFEALなどの慣用暗号に対する差分解読法、線形解読法あるいは中間メッセージ法などはかなり有力と考えられている。暗号分野においては攻撃法の提案あるいはその成功報告は、マスコミに取り上げられるごとも多く、大きなインパクトを持つ。これは、単に日本国内にとどまらず世界中が注目することである。そこで、本研究では、暗号系の評価システムの構築を目指して、これらの攻撃法が実際にどの程度有効なのかを理論的・実験的に実証した。この評価に基づいて安全な暗号系の構築を目指す。具体的には、共通鍵暗号系、公開鍵暗号系及びそれらを用いたシステムの各々で次のような成果を得た。・暗号用乱数の強度評価を行ない、そのツールを開発するとともに、乱数性の高い暗号用乱数生成方式を提案した。乱数では、高速処理可能な疑似乱数と、ネットワークを通じて外部と接続する時のイベント発生による真正乱数を扱った。最終的には、このツールは暗号用乱数生成方式の設計ツールとして利用することを目的としている。・公開鍵暗号では、因数分解法の改良を行なって、超並列マシンを用いて実際に幾つかの大きな整数の因数分解に成功し、Cunningham Projectに掲載された。また、指数関数的な暗号方式に対するタイミングアタックの有効性を調査し、原理的には有効であるが、実用上はまだ解決すべき問題が多いことを見い出した。c113_10,280+=1732968321906154300242242122877951610873021611835162963152598843312459【encircled2】8881651243776644793221812900676299259681=70488250368897247920709885766793062547616862669921*245852083551051217541465412461202922395395232640413677301754561・著作権保護のためのセキュリティエージェント、鍵配送のためのプロトコルの提案と安全性の評価を行なった。本研究により、各種暗号系攻撃法の定量的な評価法を確立でき、安全な暗号系を構築できると、情報ネットワークやその上での取引が安全に行えるようになる。今後の情報化社会に寄与する所大きいものがある。
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