研究課題/領域番号 |
09044151
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
熊川 征司 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30022130)
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研究分担者 |
XIE Xie 中国宇宙技術院, 教授
ZHONG Xingru 中国科学院, 半導体研究所, 教授
早川 泰弘 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00115453)
山口 十六夫 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40010938)
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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キーワード | 微小重力実験 / 化合物半導体 / ガリウムアンチモン / インデイウムアンチモン / 重力偏析 / 固液界面形状 / 面方位依存性 / 数値解析 |
研究概要 |
InGaSb三元混晶半導体バルク結晶の高品質化への知見を得るために、中国の回収衛星を利用して、微小重力下でInGaSbの溶解、成長過程を調べる実験を行った。また、地上で同じ電気炉を使用し、参照実験を行った。さらに、実験を模擬した数値解析を実施し、実験結果との比較検討を行った。GaSb(111)A/InSb/GaSb(111)Bサンドイッチ構造試料の温度を706℃まで上昇させ、InSb溶液中にGaSbを溶解させた後、O.5℃/min.で温度降下させ、InGaSbを結晶成長させた。モホロジー観察と濃度分析により、(1)重力が固液界面形状と組成比分布に及ぼす効果、(2)InSb融液へのGaSb結晶融解の結晶面方位依存性、(3)In_xGa_<1-x>Sb結晶成長のGaSb面方位依存性を調べた。その結果、(1)宇宙試料の固液界面形状はほぼ平坦であり、InGaSb再結晶成長のIn濃度も結晶径方向にほぼ均一に分布した。(2)地上試料の固液界面形状は重力方向に拡がっており、下方部ほどIn濃度が高くなった。これは、比重の大きいInSbがInGsSb溶液下方に沈降し高濃度となり、溶液下方領域のGaSbの溶解を促進させたためであった。(3)宇宙実験および地上実験を模擬した数値解析を行ない、固液界面形状と濃度分布に関して実験結果と定性的な一致が確認された。(4)B面試料の方がA面試料よりも溶解しやすく、逆に結晶しにくいこと等がわかった。
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