研究課題
国際学術研究
InGaSb三元混晶半導体バルク結晶の高品質化への知見を得るために、中国の回収衛星を利用して、微小重力下と地上でInGaSbの溶解、成長過程を調べる実験を行った。また、実験を模擬した数値解析を実施し、実験結果との比較検討を行った。GaSb(111)A/InSb/GaSb(111)Bサンドイッチ構造試料の温度を706℃まで上昇させ、InSb溶液中にGaSbを溶解させた後、0.5℃/min.で温度降下させ、InGaSbを結晶成長させた。その結果、(1)宇宙試料の固液界面形状はほぼ平坦であり、InGaSb再結晶成長のIn濃度も結晶径方向にほぼ均一に分布した。(2)地上試料の固液界面形状は重力方向に拡がっており、下方部ほどIn濃度が高くなった。これは、比重の大きいInSbが工nGsSb溶液下方に沈降し高濃度となり、溶液下方領域のGaSbの溶解を促進させたためであった。(3)宇宙実験および地上実験を模擬した数値解析を行ない、固液界面形状と濃度分布に関して実験結果と定性的な一致が得られた(4)最高温度を変えた地上実験の結果、温度が低い程溶解領域が狭くなった。(5)溶質分布と温度分布、流れ分布を重力レベルを変えて数値解析した結果、重力が10^<-4>g下でも温度勾配に起因した流れが起こることがわかった。
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