研究分担者 |
BUNCH David University of California,Davis, Institute, Associate
GOLOB Thomas University of California,Irvine, Institut, Research S
陳 蔭三 西安公路交通大学, 校長
山本 俊行 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273465)
藤井 聡 京都大学, 工学研究科, 助手 (80252469)
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研究概要 |
本研究では,将来交通需要予測,および交通が環境に及ほす影響予測のために,各世帯の自動車保有台数,各自動車の保有期間,および自動車の購入,廃棄,買い替えなどの行動を定量的に,かつ動学的に予測するシミュレーションモデルの構築を目指したものである.研究初年度は,シミュレーションモデルを構築するための基礎データを得るために,中華人民共和国においてアンケート調査を行なった.調査で得られたデータの基礎的な集計を行い,データの基本的な性質を把握した.すなわち,回収率や,有効回答者の年齢,性別等の属性分布,保有自動車者数の分布,自動車保有期間分布等を把握した.これらの集計結果に基づいて,既に実施されているアメリカ合衆国および我が国での調査結果と比較する事で,それぞれの国における,自動車保有に関する定性的な相違を把握した.それと共に,次年度で構築するサブモデル,およびそれを統合したシミュレーションモデルの基本的な構造を検討した.構築したサブモデルには,1.各保有自動車の保有期間モデル,2.時間軸上における取替更新行動モデル,3.購入車種・世帯内割り当てモデル,がある.1.では,世帯属性によって保有期間が購入時の予定より短縮される傾向がある事や,世帯間の非観測異質性が保有期間に与える影響が大きい事が明らかとなった.2.では,時間軸上で繰り返される自動車取替更新行動は相互に影響を与えている事や,一度保有台数を増やした世帯では,保有台数を維持する傾向のある事,世帯属性の変化が取替更新行動に影響を与えている事が明らかとなった.3.では,車種選択と世帯内での割り当て行動は,相互に密接な関係がある事や,複数保有世帯では同じような車種が選択され,それらが独立に利用される傾向がある事が明らかとなった.
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