研究分担者 |
喜多 秀行 鳥取大学, 工学部, 教授 (50135521)
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (20207038)
奥村 誠 広島大学, 工学部, 助教授 (00194514)
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研究概要 |
本研究は,国際空港,港湾,学術研究機能,情報知識集積機能といった国際的社会資本の整備がアジア圏やEU圏といった国際地域圏の経済統合化に及ぼす役割についての本質的理解を目的として,日本とスウェーデンの交通・地域経済学,土木工学を専門とする研究者による共同体制を取って取り組んでいる. 本年度はまず,国際社会資本の整備効果を計測するために知識蓄積仮定と整備効果との対応関係に着目し,整備効果を計測するための指標の種類について検討を行った.多国・多地域経済成長モデルの開発を通じて世界都市ネットワークの発展過程のモデル化を行い,さらに環太平洋圏,EU圏を対象とした実証分析を通じてモデルの有効性を検証した. さらに以下の二つの軸に沿って,過去2年間にわたる研究成果のとりまとめを行った.まず知識流動を中心とした都市間の国際ネットワークの自立的な発展可能性に注目し,これまでのモデル論的研究からの規範的な知見,実証分析に基づく実際的知見の整合性をみた.またもう一方としては,国際的な社会資本整備の動向が諸都市の競争優位性をどのように決定づけるかを明らかにした. 以上のように本研究では,国際空港,高度学術研究機能,情報・知識集積という国際社会資本の整備が世界都市のネットワークの進化を制御するための戦略的変数として重要な意味を持つことを明らかにした.これにより国際的社会資本整備ゲームという今日的な状況における効果的な社会資本整備のあり方に関して,有用な知見を得た.
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