研究課題
現代社会においては、膨大な量の情報とデータが氾濫しており、データ発掘(data mining)や知識獲得(knowledge acquisition)の研究の重要性が指摘されている。この共同研究では、知識獲得を、データと整合するブール関数の構成の問題として捉え、ブール関数が与える論理的内容を知識として取り出すことを目指している。この目的には、従来、データから決定木やルールの抽出という形での研究が主流であり、ブール関数の構成を直接めざすものはあまり見られない。しかし、ブール関数を前面に出すことによって、新しい観点から問題を見なおすことができ、さらに、ブール関数に関する数学的蓄積を利用することが可能となり、大さな発展を期待できる。本年度は、まず、サイモンフレーザー大学の、T.Kameda教授との共同研究が中心になった。すなわち、平成9年夏期に茨木がサイモンフレーザー大学を訪問し、研究計画をたてるとともに、10月にはKameda教授が京都大学を訪問し、共同研究を進めた。さらに、平成10年3月には、ドイツ国Giessen大学からThomas Eiter助教授を招へいし、ブール関数の中でも人工知能の分野などで重視されているホーン関数について研究を行った。Eiter教授とは、すでにdouble Horn関数、bidual Horn関数などについて共同研究を行った実績があるので、きわめてスムーズに研究にとりかかることができた。氏の訪問は、平成10年4月下旬まで継続する予定である。この間、茨木および永持は、国際会議に出席し、関連の情報を集めるとともに、研究の一部を発表した。
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