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1997 年度 実績報告書

エアロゾル粒子の大気環境影響

研究課題

研究課題/領域番号 09044161
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関京都大学

研究代表者

笠原 三紀夫  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80027143)

研究分担者 KRUISZ Chris  ウィーン大学, 実験物理学科, 研究員
HELMUTH Horv  ウィーン大学, 実験物理学科, 準教授
山本 浩平  京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (10263154)
東野 達  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135607)
キーワードエアロゾル粒子 / 大気環境 / 地球温暖化 / 酸性雨 / 元素分析 / 元素状炭素 / 有機炭素 / PIXE分析
研究概要

本年度は下記の3課題について検討した。
1.大気エアロゾル粒子の性状特性(京都大学,ウィーン大学):エアロゾル粒子の大気環境に及ぼす影響を解明するためには、粒子の物理・化学的性状の把握が不可欠である。京都大学では従来法に基づき大気エアロゾルを分級捕集しその性状を調査した。また、ウィーン大学においては、エアロゾル粒子の分級捕集システムを整備するとともに、予備的捕集を実施した。試料は不溶性成分と水溶性成分に分離後PIXE法により元素分析を行った。また、酸性雨機構の解明のため粒子と同時に雨水を採取した。元素別の粒度分布は、発生源に依存した特徴ある分布を示し、大きくは3つのタイプに分かれる。下記課題2,3は粒子の粒度分布に大きく依存するものと考えられる。
2.光減衰係数の測定(ウィーン大学,京都大学):ウィーン大学が開発したテレフォトメータを京都大学に搬送・設置した。本装置は、大気エアロゾル粒子による光の吸収、散乱に伴う光減衰係数を測定するもので、エアロゾル粒子の地球温暖化(冷却化)影響に対する基礎的データを得ることができる。本年度は、装置の設定とコンピュータによる自動計測のためのプログラムの作成を行い、予備的測定を開始した。減衰係数の粒子性状や湿度への依存性を中心に解析している。
3.酸性雨現象のモデル化(京都大学、ウィーン大学):雲滴生成時や降雨時のエアロゾル粒子やガス状汚染物質の取り込みによる雨の酸性化(湿性沈着)過程をモデル化し、酸性雨現象をシミュレートしたモデルを作成した。改良すべき点はまだ多いが、予備的な検討結果によれば、雨滴による粒子の捕捉は粒子の粒径に大きく依存し、課題1の元素別粒度分布の情報が降雨洗浄の解析にきわめて重要であることが明らかとなった。元素毎との雨滴、粒子間での物質収支の検討が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 笠原 三紀夫: "大気環境研究へのPIXE法の応用" 放射線. 23・4. 87-96 (1997)

  • [文献書誌] 東野 達: "エアロゾル計測におけるデータ逆変換" エアロゾル研究. 12・4. 281-287 (1997)

  • [文献書誌] Y.Li and M.Kasahara: "Analysis of acid rain 1991〜1995 and regional climate in south China" J.Japan Society of Atmospheric Environment. 33・1. 50-59 (1998)

  • [文献書誌] S.Tohno, J.Ueda and M.Kasahara: "Numerical simulation of below-cloud scavenging of gaseous and particulate matters" Journal of Aerosol Science. 28・S. S455-S456 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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