研究課題
次世代型軽水炉の炉物理に関する共同研究課題として、(1)共鳴自己遮蔽計算法の検討、(2)超ウラン元素に関する実験と計算法、(3)感度係数の計算法と感度解析、(4)ドップラー効果計算法等を主テーマとして、京都大学原子炉実験所、フランス原子力庁(CEA)のカダラッシュ研究所及びサックレー研究所で、日仏セミナーあるいは日仏技術会合を開催し、双方の研究成果を持ち寄って討議を行った。(1)については、サブグループ法に基づく共鳴自己遮蔽計算法の精度向上及び干渉効果を考慮した共鳴自己遮蔽計算法の開発、自己遮蔽効果の空間依存性等について研究成果が紹介され、討議を行った結果、新しいベンチマーク問題を作成することとなった。(2)については、KUCAにおけるNp-237/U-235核分裂率比及び捕獲反応率比の測定及び解析結果、及びCEAにおける捕獲反応率測定手法が紹介され、今後は実験法を含めて協力を強めることとなった。また、燃焼ベンチマーク計算の結果が紹介され、CEAのAPOLLOコードのMOX燃焼に対する検証作業が紹介された。(3)については、MOX燃料ピンセルについての検討結果が紹介され、随伴中性子束のエネルギー群数依存性の検討結果が紹介された。(4)については、日本側からの提案に基づき、PWRを意識したドップラー効果のベンチマーク計算問題が作成された。なお、中性子漏洩の多い体系のセル計算法については、次回のセミナーで討議することになった。日仏協力研究の基盤となっている日仏研究協力協定が来年度に期限を迎えるが、協力研究の有用性に鑑み、協定を延長することで双方が一致した。また、懸案となっていた日仏共同研究論文はCEA内の承認もとれ、漸く国際学術誌に投稿することができた。
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